元殺し屋はヒーローになる11 (ページ9)

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センパイの元に緑谷と一緒に向かう

「エリちゃん！先輩!! 動けますか!?」

「…ああ…！余裕………だよね…!!」

『……………ッ』

「結局…悲しませてしまった」

「移動します！
さっきので塞がれてたけど、僕らが通ってきた通路です！治崎と距離をおかないと、少なくともここよりは安全です」

じんわりと滲んでいるセンパイの腹の液体に、手を触れて治そうとした

でも

「「もう…いいです…」」

「！」

“お前たちは呪われた存在なんだ”

「「ごめんなさい」」

私なんかが、センパイの傷を治していいはずがない

呪われた存在なんだから

「サー!!!」

『(ﾊｯ!!』

振り返った

オールマイトのことを調べていくと、やがてあるサイドキックのこともわかってた

ナイトアイは未来予知を発動していた

見た未来は変えられない

過去何度も試してきた見た未来と全く異なる行動をとっても、長くて数分の後、帳尻を合わせるように元の流れに戻されてしまう

余分なカットを挟み込むだけ、そこから未来が分岐することはなかった

ひょっとしたら自分が“見る”ことでその人の未来が決定つけられているのではないか…

“オールマイトの死”を見て以降、彼は他人の将来の予知をやめた

彼は今、1秒先の未来だけを見て動く

兄が己に触れそうな未来の度、異なる行動をとった

彼の行動は単なる先延ばし、分かってはいるがそれが最善手

しかしそれも限界だ

腹を貫かれ、腕を貫かれ、彼はすがるように兄の行末を見た

『もう、やめてよ………』

「青子ちゃん、早くこっちに！」

『もうやめて、お兄ちゃん』

緑谷が飛び出して戦いに行って、センパイに手を引かれるように穴の中に入る

「お前らが来て事態が悪化してること気づいているだろう
諦めろ、俺の言った通りになるだけだ。“全員死ぬ”」

「そんなことにはさせない…！」

『！』

目を見開き、未来を託した彼に振り返る

「そう決まっていたとしても！

その未来を捻じ曲げる!!」

突っ込む彼は、果たして…兄に勝つのだろうか