元殺し屋はヒーローになる11 (ページ43)

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エリちゃんの額の角から放出されていた“個性”だけど、そのツノが熱が引くにつれて縮んでいった

今はほとんどこぶぐらいにまで縮んでいるから、あまり気にしなくていいんだけど

「もう大丈夫なのか？」

『はい。あまり休むと、殺せんせーがうるさいので』

「今はオーストラリアでカンガルーと戯れ中だな」

『はい。なので、今のうちに』

「わかった。あいつらには今から説明する」

A組のドアがカーンと開き、「入ってこい」と促されて静かに入るとみんなは目を見開いて驚いていた

「青子ちゃん!!」

「夜神月！」

「もう大丈夫なん!?」

『ご心配おかけしました。夜神月青子、ふっかーつ』

イェーイ、とブイサインを作ると「もう怪我も治ったからな。今日から復帰だ」と相澤先生は余計なことを喋らないでくれた

「青子さん、大丈夫なんですの？」

『大丈夫大丈夫。気にしなくていいよ』

「ですが…」

『…正直、本調子ではない。でもまあ、なんとかなるよ』

はははっ、と八百万ちゃんに笑ってみせれば少し安堵したような、複雑な笑顔を向けられた

緑谷は青山と仲良くなったらしい

仲の良い奴が増えるのは大歓迎なのでよろしい

「青子!!」

『渚、カルマ』

「心配、したんだよっ…」

放課後、アライアンスに遊びにきたE組のみんなが心配して駆けつけてきた

抱きついてきた渚にきつく抱きしめると「バカバカ」と言われた

「ホント、青子の大馬鹿野郎」

『カルマ』

「俺が心配してないとでも思ったわけ？
バカじゃないの？親友を心配しない奴はいないの」

『…うん、ごめん』

「もう大丈夫なの？」

『ヘーキヘーキ。本調子だよ』

「ホント？本当に本当？」

『うん。本当に本当』

だから泣かない。と、目尻に浮かぶ涙を拭うと「うん」とすり寄ってくる渚

「にしても、お前があのヤクザの妹とはな」

「気づかなかった」

『本心を吐いてたら、みんなに危害が及んでたからさ。下手なことは言えなかったんだ。ごめん』

「別にいいけど、これからは無茶なしで頼む」

『努力するよ』