元殺し屋はヒーローになる11 (ページ21)

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ビキビキと治崎の腕が崩れていくが、死柄木は寸断のところで治崎の腕を切った

「これでお前は無力非力の“無個性”マン
お前が費やしてきた努力はさァ！俺のもんになっちゃった
これからはくわえる指もなく、ただただ眺めて生きていけ!! 頑張ろうな!!
妹のアイツを見つけたら、俺の手の中にいれてやるよ!!
利用価値のあるコマだからな!! お前のことで釣れば、どれだけ動いてくれるかなァ！」

「やめろ…破無に、手を出すな…」

「………………破無…“破壊して無にする”。いい名前だな」

死柄木はその場を後にした

緑谷side

「一応、隅々まで検査しましたが、腕以外はどこも異常ありませんでした」

「…ありがとうございます」

「しかしこの腕、どうしたらこんなになっちゃ」

「それより他のみんなは」

コスチュームを着て先生に聞くと、「俺が見てきたよ」と相澤先生がヌウッと入ってきた

「先生!! お怪我は!!?」

「十針縫った。来い」

安静にしてください

「大事なところでいてやれなくてすまなかった」

「いえ…。それよりみんなは…」

僕がみんなの容体を聞くと、相澤先生は静かに話してくれた

「切島は全身打撲に裂傷がひどいが、命に別状はない」

「ミイラ」

「天喰も顔面にヒビが入ったものの、後に遺るようなものではないとのこと」

「ZZZ」

「ファットガムは骨折が何箇所か。元気そうだったけどな」

「腹減った」

「ロックロックも幸い内臓を避ける形で刃が刺さっていた
大事には至らない傷だ」

「良かった」

エリちゃんは、まだ熱も引いていなくて眠ったまま

今は隔離されていて、面会もできない

僕が得たあの子の情報を考慮しての結論だそうで、「人を巻き戻す個性をコントロールできない」

何かの弾みでまた発動してしまったら相澤先生以外に止める術がない

僕は、「全身絶え間なく大破壊し続ける」ことで、接触した

そんな方法を取れる人間はそういないし、いたとしてもあの子がそれを上回る出力で発動してしまったら

確かに、どんどん強くなっててあのとき先生が消してくれなければ

「未知数な上に精神的にも今は、これが合理的だと思う。あの子のためにもな」