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青子side
「しつこい」
上へと向かう中、腕の中にいるエリちゃんをどうにして逃がさないと頭を働かせた時、視界に赤が映えた
ルミリオン…センパイのマントだ
「巻き上げられたのか………………気色悪い」
エリちゃんは、意識して掴んだわけじゃなかった
“痛くて辛くて苦しんでる女の子達を包んであげるためだ！”
ただ
ﾐｼｯ
「！」
(エリちゃん…！)
昔、まだエリちゃんが小さい頃
“俺の娘…覚えてるか青子”
“エリちゃん、だったよね？
結婚で揉めて親父さんと絶縁した娘さん”
“その子はあの娘の子だ…。あのバカ、子供を捨ておった
「ダンナが死んだ」「この子は呪われてる」ってよ”
まだ小さくて、初めて会った私にすごく懐いてくれたのがエリちゃんだった
“ある日、ダンナがあの子に触れようとしたら消えちまったらしい”
“そんな……”
“どちらの家系にも全く類似しない“力”が発現したんだ
ミューテーションってな…”
“突然変異…”
“ああ。呪いなんかじゃねェ。ごく稀にそう言ったことはあると聞く
能力の詳細も使い方もわからねェ
本人に自覚がないんだと。だが、消滅したってところ青子…お前や治崎に似てる”
“…………………”
“世話ついでにあの子の“個性”を治崎に調べるように頼んだ
青子、お前は治崎の手伝いをしたいならしてもかまわん
ただ、エリと遊んでやってくれねぇか？”
“私でいいの？”
“かまわねぇ”
“うん。私もエリちゃんともっと仲良くなりたい”
二つ返事で受け入れて、エリちゃんが遊び疲れた後にお兄ちゃんに呼ばれた
“とんでもない。これは…修復だとか治すとかそういう次元じゃない”
“…つまり”
“巻き戻す“個性””
『エリちゃん!!!』
“こいつは…。………恐ろしいな…”
“お兄、ちゃん？”
変わってしまったんだ
優しい兄は、もういなかった
初めて、脱出を試みたあの日
緑谷とセンパイがいて、一筋の光を掴むように手を伸ばしたけど…結局兄からは逃れられないと、諦めてしまった
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うさぎ - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2020年6月1日 19時) (
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年6月1日 15時
