〜小学生卒業編〜-2 ページ9
新一「姉ちゃんがいつも隣にいてくれたから…それが今日で終わりなのが嫌なんだよ」
『相変わらず寂しん坊さんだなぁ』
新一「だから、違うって‼」
『家でも会えるじゃない』
新一「…」
『もう…』
黙りこくった新一はギューッとAの首元に手を回した
有希子「あ、A！新ちゃん！こっち‼」
手をブンブン振りまくる有希子の元に歩み寄ると蘭が飛びついて来た
蘭「A姉卒業おめでとう‼」
『ありがとう、蘭』
新一を下ろし蘭の頭を撫でるとえへへとはにかんだ蘭にギュッと抱きしめた
優作「卒業おめでとう」
『ありがとう、父さん』
有希子「あんなに小ちゃっかったAがこんなに大きくなってあっという間に卒業するなんてねー」
『子供は成長するもんだよ、母さん』
有希子「ってなわけだから、早く並んじゃって‼」
『はいはい』
写真を撮るからと言われて3人仲良く並んだ
新一は未だにAのスカートを掴みながら下を向いていた
『新一、写真撮るから前見てよ』
新一「……」
蘭「新一？」
『新一』
新一「！」
びくりと肩を揺らした新一はギュッとスカートを掴んだ
『もー、母さん、このまま撮っちゃおう』
有希子「もー、新ちゃん、お姉ちゃんの大事な写真なんだから、前を向きなさい」
新一「……わかったよ」
涙で目を潤ませた新一はグスッと鼻を鳴らしながら前を向いた
有希子「はい、チーズ‼」
カシャッ
『涼ちゃん‼』
涼太「おっせぇぞ！」
『ごめんごめん、新一がなかなか話してくれなくって』
涼太「またシスコンかよ」
『あはは…で、みんなは？』
キョロキョロと辺りを見回すが生徒会もクラス全員もまだ集まっていなかった
涼太「今召集かけたトコ、後数分したらみんな集まるから」
『流石副会長‼』
涼太「そう思うなら自分やれよ」
『こういうのって涼ちゃんがやった方が早いの知ってるくせに』
涼太「否定はしねぇ」
スマホをしまった涼太はAの隣に立ち空を見上げた
涼太「あのさぁ」
『ん？』
涼太「…………オレ言ったよな」
『え？』
涼太「好きなヤツ」
『ん？あー、言ってたね』
青空を見上げている2人の周りは静かだった
涼太「……オレさ、そいつに今から告ろうと思ってる」
『お！頑張れ‼』
涼太「……はぁ…鈍感」
『？』
涼太「一度しか言わないからよく聞けよ」
『ん？うん？』
涼太「A、オレは…お前が好きだ」
『ぇ…？』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2018年9月24日 16時
