〜小学生卒業編〜 ページ8
「卒業証書授与式を挙行します 一同起立‼」
ガタッ
桜が舞い起こる季節
巡る季節は新たな別れとなる
「工藤A」
『はい』
担任から名前を呼ばれたAは壇上に上がった
校長「よく生徒会長として動いてくれましたね…」
『いえいえ、この学校にいい風が巻き起こる事を期待してますよ』
校長「(パチクリ)フフフ、弟君かな？」
『はい、校長先生弟の事、よろしくお願いします』
卒業式も終わり、今は校庭で卒業生が別れを惜しんでいた
「A！」
『ん？涼ちゃん‼」
涼太「卒業おめでとう」
『涼ちゃんもおめでとう‼ 中学もよろしくね！』
涼太「おうよ！Aは中学はサッカーするのか？」
『うん、新一がやっててって頼んできたからね』
涼太「相変わらずシスコンだな、お前の弟」
『そうだね』
卒業証書を入れた筒を持ちながら、2人は別れを惜しんでいる卒業生を見た
中学を離れる者もいれば、同じ中学に進む者もいる
涼太「帝丹中学か…」
『高校は？』
涼太「オレ、高校は海外に行く事にしたんだ、本気でバスケしたいからさ！」
『そうなの！涼ちゃん、頑張ってね‼』
涼太「おう！」
2人は校庭をうろついていると、下級生達に囲まれた
「Aさん、卒業しないでくださいよ！」
「そうですよ！涼太さんはしていいけど」
涼太「お前ら、オレの扱い酷くねぇか？」
『あはは‼ 涼ちゃんはいじられキャラだからね』
涼太「元はといえばお前が始めた事だろ‼」
涙を流しながら卒業しないでくれと言いまくる下級生達をなだめてから2人はそこを離れた
しばらく歩いていると、見覚えのある髪型の小さな少年が走って来た
新一「姉ちゃん‼」
『新一』
涼太「シスコン」
新一「涼ちゃんうるさい」
涼太「なっ！テメー‼」
『はいはい』
この1年2人はこう言った言い合いをしてばかりだった
だが、それも今日で終わってしまう
『新一、母さん達は？』
新一「あ、校門の所で待ってるんだ！蘭もいるから早く来いだってさ」
『蘭も？そうなんだ、じゃ行くか』
涼太「後でクラスとか生徒会で写真撮るから忘れんなよ」
『了解』
涼太と別れたAは新一をおんぶしながら校門を目指した
新一「姉ちゃん」
『んー？』
新一「ホントに卒業したのか？」
『したよー？』
新一「…そっか」
ギュッと服を掴む手が強くなった新一にAは寂しん坊さんだなぁ、と笑いながら言うとち、違うよ！と慌てて言い返した
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2018年9月24日 16時
