探偵の姉はゼロです【詰め合わせ】 (ページ12)

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～帝丹中学～ページ12

涼太「おーい、Aまた仕事～」

『はぁ……ここでも生徒会長するってなんでなの』

涼太「言うな、それを言うならオレだって副会長」

帝丹中学に入学した2人は全校生徒の勧めで生徒会長と副会長になった
と言っても、2人の活躍は全校生徒が知っているらしい

涼太はバスケでの全国大会のベスト選手として活躍し、Aは中学生探偵として世間を騒がせている

『中学になっても、涼ちゃんと生徒会かー』

涼太「あんま小学校と変わんねーよな」

ちまちまと仕事をこなしていく2人は気づけば放課後になっていた

涼太「んじゃ、オレ部活行くから、お前は帰るのか？」

『いや、サッカーしてから帰るよ』

涼太「そっか、時間合えば帰ろうぜ」

『了解』

生徒会室を出た2人はそれぞれの部活の場所に向かうも、Aはサッカー部を3ヶ月でやめてしまった

理由はいたってシンプルだ
探偵としての腕を磨く為に色々と事件に呼ばれるようになったため、サッカーをする時間がなくなったらしい
だが本人は新一とよくサッカーをしているため、あまり困っていない

『グラウンドの片隅でやるか』

ドサッとカバンを投げ捨て、サッカーボールでリフティングをし始める
トットッとボールの跳ねる音にAは心地よくなる
壁当てをしようとボールを壁に当てる

ガッ‼

『え、まじか』

ボールは的に当たらず隣の的に当たった
見当違いの方向に飛んで行き跳ね返ってきたボールをコントロールし、また蹴る

ガッ‼

先ほどよりも近くに当たったボールはまた跳ね返りそれを蹴る

ガッ‼

ガッ‼

『フンッ！』

ガッ‼

『よっしゃ‼』

的のど真ん中にあたり、嬉しさが込み上がる
どんどんボールを蹴り続ける
楽しすぎて時間を忘れてしまうほど蹴り続けていた

涼太「おいA‼」

『あ、涼ちゃん』

涼太「お前…何時だと思ってんだ」

『え？』

辺りが真っ暗になり始めていた
どうやら、ボールを蹴り始めてからだいぶ経っているのだろう

涼太「はぁ…サッカー好きなのはいいけど、3時間ずっとやってるぞ？」

『え？じゃあ6時？』

涼太「うん」

『あらま、まあ生徒会の仕事って言えば母さんも許してくれるよ』

涼太「軽いな」

ボールを拾いカバンを持ち上げて涼太と一緒に校門をでた

涼太「お前ガチで警察になるの？」

『なるよ！この国を守りたいんだもん‼』

涼太「それあの兄ちゃんだろ？名前忘れたけど」

『でも、いいじゃん！あのお兄さんとこの国守れたら楽しいよ！』

涼太「相変わらずの楽観的な奴」