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ー3学期・修了式ー






修了式が終わって各学年が自分の教室に向かう際、こちらに気づいた人がいた









「姫乃ちゃーん」

(先輩…)

「誰かいた?」

『え?あ』









田代に呼ばれて視線を切らすと先輩がチャップされながら歩いていく姿が見えた










「あーあ、先輩も来年卒業だなー」

『…………』








そっ、か…佐々木先輩やお兄ちゃん…私より先に卒業するんだ



あと、1年で…















ー放課後ー







「あ」

『みゃーちゃん?』

「宮野?」

「く…!? 平…!! 黒…!!!」

「嫌な予感がした。それ以上喋るな」

『お兄ちゃん!』

「姫乃」

『お兄ちゃん、染めたの?』

「あぁ、まあな」










黒髪になっているお兄ちゃんに駆け寄ると、「平野先輩…!! どうして黒髪になって…」というみゃーちゃんに言われたお兄ちゃんは、「せめて修了式くらいは、黒くしないと後で残されるからな」とお兄ちゃんが髪の毛を撫でた









「佐々木が今、怒られてる。まあ次会う時は戻ってる。つーか戻す」

『お兄ちゃん、髪死ぬよ?』

「黒いのも、し、新鮮でいいと…思います」

「おい、撮るのやめろ」

「先輩って髪の毛色抜いてんすか?」

「ああ。何回か抜いたから割と髪傷んでる。触ってみるか?」

「えっ!」

『お兄ちゃん、髪の毛細いよね』

「そうか?」










指で髪の毛をすいていると「ルームメイトには触らせましたか?」とみゃーちゃんに聞かれて、お兄ちゃんは「ああ」と頷いた







「傷んでるってそいつに言われたからな」

「ありがとうございます(ボソッ」

「あ"?」

『お兄ちゃん…』









低い声を出したお兄ちゃんに眉を落として笑っていると「あ、佐々木」とお兄ちゃんが廊下を歩いてくる佐々木先輩を見つけた










「平野悪ィー、待たせ…あれ?みんなでどうしたの?」

「髪傷んでるって話。お前そんな傷んでねーよな」

「佐々木先輩も黒くしたことあるんすか?」

「うん、1年の時にね」

『黒髪の先輩…』

「黒くしよっか?」

「おい、そんな気軽に言えんならなんで今日染めてこねーんだよ。そういや、姫乃、成績はどうだった?」

『いつも通りだったよ』

「偉いな。なんか欲しいのあったら言えよ」

『じゃあ、今度一緒にトロピカルランドに』









お兄ちゃんにお願いをしようとしていると「お前ら何してんの?」とまた違う声がかけられた

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時

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