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(だっせぇなぁ、俺…)
『先輩?』
「あぁ、うん…大丈夫…えっと、行くんだよね?気をつけてね」
『はい。先輩、無理しないでくださいね』
「うん…気をつけてね」
お兄ちゃんから上着を受け取り、座敷を後にする
「平野…なんで、あんな姫乃ちゃん慣れてるの?」
「そりゃ、探偵の幼馴染ならな」
「はぁ…」
「安心しろ。最初は俺もそうだったが、慣れた」
「慣れるもんなの、これ?」
寺町通にある“桜古美術店”は1階が店舗、2、3階が住宅になっていた
中に入り、書斎に向かって調べることになった
壁一面の本棚には何百冊も本が置かれており、片っ端から本を取り出して調べていき、ある緋色の本を取り出した
『“義経記”だ…』
本を開いてみると、表紙の裏にあった筆文字を見て『なっ…』と声を上げる
『新一!服部!』
「なんや?」
「どうした?」
2人に表紙の裏のサインを見せると「“伊勢三郎”!?」と新一が声を上げて驚いた
「桜さんは“伊勢三郎”やったんか!ん?なんやこれ」
「これは…!」
『例の絵のコピー!』
「どういうこっちゃ?桜さんがこの絵ェ持ってたっちゅうことは…」
「あの手紙を山能寺に届けたのは桜さんってことだ!だが、なんのために…?」
『わかんないよ…』
調べれば調べるほど、謎が深まる
この事件、一体どうなってるんだろうか…
ー山能寺ー
「なんだと!? 桜さんが“伊勢三郎”!?」
「ああ。あの人は“源氏蛍”のメンバーやったんや」
「ねぇ、桜さんの家にあった絵がコピーだったってことは、本物は桜さんが持ち歩いてて、それを犯人が取って行ったんじゃない?」
「なるほど!犯人は桜さんが絵ェをコピーしてたとは思わんかったんやな」
「それで、犯人は一体誰なん?」
「オレは竜円さんか西条さん、水尾さん、千賀鈴さんの誰かやと思う」
「えーっ!?」
「でも、誰も凶器持ってなかったわよ?」
「あんたたちが抜け出した後で、身体検査されたんだから」
「まあ、人殺めたあとで凶器持ってるアホはおらんからな。どっかに捨てたか隠したんやろ」
「でも、店の中からは見つからなかったみたい」
『みそぎ川は?地下の廊下奥のガラス窓から捨てたんじゃない?』
私が言うと「だしょっ!私もそう思ったのよ!!」と園子が身を乗り出して言ってきた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時