7話 伊勢三郎 ページ24
お兄ちゃんに連れていかれる佐々木先輩を見送り、納戸の中に入っていく
遺体の前で膝をついた服部の背後からこっそりと覗く
「鋭利な刃物で頸動脈を切られている」
「見事な切り口や。こら一連の事件と同一犯かもな」
『多分』
服部に同意すると「キミ、どこかで見た顔やと思たら…」と水尾さんたちが目を丸くして服部を見た
「高校生探偵の服部平次くんか?」
「そうや。みんな警察が来るまで、さっきの部屋におってくれへんか?」
「絶対に外へは出ないように!」
「…わかりました」
『納戸、物色されてるね』
「あぁ」
蓋の開けられた箱が散乱しており、棚に収納された箱もところどころ開けられている
納戸の中を物色している時に殺害されたようだ
でも、一体何を…
おじさんが納戸の奥に入っていくのを見てから、桜さんの遺体を覗き込む
仰向けに倒れた桜さんの上着はボタンが全て外され、腹の上には長財布が開いた状態で放り出されている
「上着のボタンが引きちぎられているな」
『うん』
「手袋の手ェでボタン外すのが億劫やったんやろうけど、札がぎっしり詰まった財布は無事や。物取りの犯行やないな」
『…ん?』
ハンカチを持った手で上着のポケットを探ると右のポケットに鍵束が入っていた。それを持って立ちあがろうとすると「うえっ!」と新一の声が聞こえてきた
「遺体に触るんじゃねぇ!何度言ったらわかるんだ!!」
『えっ、コナンくん!?』
おじさんに持ち上げられて廊下に放り出された新一は「いってぇ!」とお尻を打って痛がっていた
鍵束をハンカチに包んでポケットに入れて納戸を出ると、ガラガラと上から玄関の引き戸の開く音がした
『なんだろ』
「多分、警察やろ」
『早いね』
「ま、あそこにおったとしたらな」
確か、下の河原にいたよな。綾小路警部
上に行くと警官を2人連れて現れた綾小路警部がいた
女将さんが殺人現場の納戸へ案内しようとすると、「こら京都府警の刑事はん。えらい早うお着きでんな」と嫌味を言う服部
「ねぇ、今日シマリスは?」
「いつも連れ歩いているわけやない!」
そう言って地下へ降りていくのを見届けていくと「どう思う?」と聞かれた
「外部犯やと思うか?」
「ゼロとは言えねえが、表の引き戸を開けると音がして女将が気づくはずだ」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時