64話 個性 ページ16
「私の“個性”はね、「ワン・フォー・オール」と言うんだ」
『「ワン・フォー・オール」…』
「聖火の如く引き継がれてきたものなんだ…
そして、次にそれを引き継ぐのが」
『緑谷出久…』
「そうだ。
1人が力を培い、その力を1人へ渡し、また培い次へ…そうして救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶!!!」
『そんな大層なものを彼に渡したのは、彼こそがヒーローになれると思ったから』
「…キミには頭が上がらないな」
はははっ…と力なく笑う彼は、また続けた
「ワン・フォー・オールは、DNAを取り込められたらなんでもいいんだよ。譲渡する時は」
『なるほど…』
「ワン・フォー・オールは持ち主が“渡したい”と思った相手にしか譲渡されない
無理やり奪われることはない、無理やり渡すことはできるがね」
『そこでバレンタインのチョコ渡しをイメージしないでください』
そんなムキムキのマッスルな生徒、気持ち悪いだけですよ
「特別な“個性”なのさ。そう、その成り立ちもね
「ワン・フォー・オール」は、もともとある一つの“個性”から派生したものだ」
『それが、「オール・フォー・ワン」？』
「そうだ。他者から“個性”を「奪い」己がものとし、そしてソレを他者に「与える」ことのできる“個性”だ」
ワン・フォー・オールは、1人はみんなのために
オール・フォー・ワンは、みんなは1人のために
実に真逆のことだ
「これは超常黎明期。社会がまだ変化に対応し切れてない頃の話になる
かつて、突如として“人間”という規格が崩れ去った………たったそれだけで、法は意味を失い、文明が歩みを止めたまさに「荒廃」
そんな簡単な時代にあって、いち早く人々をまとめあげた人物がいた
キミも聞いたことはあるはすだ
彼は人々から“個性”を奪い、圧倒的な力によってその勢力を拡げていった
計画的に人を動かし、思うままに悪行を積んで行った彼は、瞬く間に“悪”の支配者として日本に君臨した」
『…その話がどう繋がってくるんですか？』
私が聞けば、彼は「オール・フォー・ワンは」とまた続けた
「「与える」“個性”でもあると言ったろ。彼は与えることで信頼…あるいは、屈服させていったんだ」
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ちかぱ - 続編待ってました((((*゜▽゜*))))おめでとうございます。楽しみに待っています。 (2020年5月18日 21時) (
レス) id: cdb9a35a2d (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2020年5月18日 18時) (レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年5月18日 17時
