46-3 ページ35
『と、まあ…これ以上深くは話せないので…知りたいなら殺せんせーに聞いてよ
私はもう上がるよ』
バイバーイと男子に手を振って女湯に戻り脱衣所で服を着て洸汰の様子を見にいった
「あら、夜神月さん」
『洸汰の具合どうですか？』
「うん。気絶してるだけ」
『そうですか。緑谷、お前パーカーぐらい羽織ってよ』
「え、あ、ごめん！」
大きめのパーカーを投げ渡すと、「洗って返すね」と紳士ぶりを発揮させて来た
『…洸汰の両親、亡くなったんですか？』
「え…」
『兄から聞いたことがあるんです。2年前に敵から市民を守ったヒーローがいると…その2人が…』
「洸汰と同じ“個性”…」
『はい』
小学生ぐらいだと思えば、まだ5歳なのか…
「物心ついたばかりの子供にはそんなことわからない
親が世界の全てだもんね」
『……』
「私らのこともよく思ってないみたい…けれど、ほかに身寄りもないから従ってる……って感じ」
洸汰にとってヒーローは、理解できない気持ち悪い人種なんだろう
『…お前の気持ち、よーくわかるよ』
「夜神月さん？」
『救えなかった人間なんていなかったかのように、ヘラヘラ笑ってるヒーローもいるもんな…』
私は、救ってもらえなかった人間だから
とても無責任で他人事な言い方になるが、色々な考えの人がいる
立て続けに聞く価値観の相違に、何も言えなくなるのは当然だろう
『そうだもんな…。親いないもんな…そっか…』
気絶する洸汰に『それでも、救けてくれる人はいるのにな…』と洸汰の頭を撫でながら呟く
『お前は環境に恵まれてるんだよ…。頼れる大人がたくさん周りにいるのにな…
周りにいるから、気付きにくいんだよな………』
「夜神月さん…あなた」
『…洸汰の気持ち、少しはわかるんです
私も親いませんし…本当の親の顔なんて知りませんから…
親が世界の全ての時に、どん底を体験したんです…
誰も救けてくれない真っ暗闇に一人ぼっちで…………』
こいつはきっと、今そこにいるんだろう
(でもな、お前にとっての最高のヒーローがきっと現れるから)
その時は、笑って教えてよ
“僕のヒーロー”だって
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世阿弥 - とても面白いです！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月14日 23時) (
レス) id: 6e54989a60 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - とても面白いです。2人の英雄、本当に感動しました。応援しています。 (2020年5月12日 2時) (レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
ちかぱ - いつも楽しみに見ています。ところでサッカーバカさん、46-4が抜けていますよ? (2020年5月11日 18時) (レス) id: cdb9a35a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年5月10日 23時
