28-5 ページ26
「叶兎!!!!」
そこで意識が浮上してくる
うっすらと目を開けると、自分の両腕に自由がなく、磔刑の如きに吊るされる自分、アッシュがいた
『アッシュ…い"っ』
目に激痛が走り、涙と共にカラーコンタクトが外れた
赤いカラコンがポトリと両目から落ちて俺の紫の瞳を涙が濡らしていく
『いっ…て…』
「叶兎！」
『うるせえな、聞こえてるよ…』
ぐわんぐわんに揺れる自分の頭を振りながらアッシュに答えると、「それはよかったな」という俺が生まれた元凶が現れた
『やぁ、お父様。自分の息子が磔刑にされてどんな気分だ？あんたからすれば…心地いいほど快感を得てんだろ？
なんたって…………レ イプ対象だもんな？』
ｺﾞｯ
『…………なんだよ、図星を刺されたから殴るのか？
昔みたいにすればいいじゃねぇか…頭脳労働ができなくなったら肉体労働に…生きた便所に戻せばいいじゃねぇかよ…』
「叶兎…」
『なぁ、どうなんだよ…クソ野郎』
ガシャン、と鎖が揺れるほどの衝撃が腹に食い込んだ
カハッと息ができなくなり、ゲホゲホと咳き込みながらなんとか息をする
親父はタキシードの蝶ネクタイを外すと俺の顎を掴み、上げる
「下衆な男娼として成り下がった3年前のようにしてやるさ…一生、お前は…俺のドレイだ」
底冷えした瞳に俺など映っていない
自分の息子だなんて思っていない
あるのは
自分の夢を閉ざそうとする対象
「起きて早々に威勢がいいな」
『…オーサー』
「よぉ、イかれた男娼上がりの殺人鬼」
『俺が殺人鬼なら、てめェは悪趣味なイヌってとこか？』
「口を慎めよ」
『てめェ如きに俺が殺せるのか？
俺を殺したその場で、お前の死は確定する…俺には優秀な部下がいるんだ…お前が街を歩いていようと、この豪邸にいようと…どこからともなくお前に銃口を向けその命を簡単に奪う』
俺の部下全員、俺と同等の殺傷能力を持っている
だから、“俺の側近”なのだ
直也、昭輝、大和、由嘉、こいつらが俺の側近だ
『お前みたいな小物が、俺を殺せるかな？』
「…………」
『お仲間にしてもらうためにペロペロ犬みたいに足を舐めたっていう、プライドもない男なんかに俺は殺されねえよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一ノ瀬 潤 - ぇぇえええ！！！今日めっちゃ出すやん！！！嬉しすぎる！！！無理しないで欲しいけど！！！！ (2022年7月10日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬 潤(プロフ) - もうガチで一気読みしたくなるぐらい面白すぎるわ……最近暑さが増しているので熱中症には気をつけてくださいね！応援してます！ (2022年7月3日 14時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - 一ノ瀬 潤さん» 今後の展開で明らかになっていきます！よろしくです！ (2022年6月16日 10時) (レス) id: b3a011a5a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬 潤(プロフ) - お父さんの服装って和服ですか？ (2022年6月12日 13時) (レス) @page14 id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - 一ノ瀬 潤さん» ありがとうございます！！！本当にチマチマと書いてるので、更新遅めですがよろしくお願いします！ (2022年6月7日 9時) (レス) @page9 id: b3a011a5a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年5月31日 7時
