矢巾宅 ページ1
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小6の春。気休めに買った恋愛成就のお守りを握りしめて、初めて告白。
結果は失敗
中3の秋。またお守りを握って前と違う男子に告白。
また失敗
高1の冬。お守りをポケットに突っ込んでクラスのプリンスに告白。
失敗
高2、年度の始め。お守りを胸ポケットに入れて隣のクラスの奴に告白。
失敗
「何なんだよ」
「どうした」
今現在、同じクラスの矢巾の家に来ている。フラれた勢いで駆け込んでしまった
「絶対アイツ私のこと好きだったって。毎日LINE来てたんだよ?」
「自意識過剰キャラもほどほどにしろよお前」
「そうでもしなきゃやってらんないよ」
本当にやってられない。こんなに勘違いさせられたらおかしくもなるわ
「ねー誰かイケメン知らないー?」
「及川さん」
「やだやだ、あの人取っ替え引っ替えなんでしょ?」
「多分フラれてるだけ」
「え、マジで」
「よくフラれて落ち込んでる時あるよ」
「だとしても及川さんは無理…女子に殺されちゃうし」
「及川さんのガチ恋勢は強いぞ」
矢巾は寝っ転がってスマホをいじり始める。顔はそこそこいいのに
「何か違うんだよなぁ……」
「何がだよ!」
「何だろ……塩すぎるカンジ?」
「だから何がだよ」
「矢巾の塩フェイス」
「追い出すぞ」
「ヤダヤダ〜、まだアイス食べ終わってないしぃ」
「キモいから帰れ。てか何杯食ったんだよ」
「2杯」
「嘘だ3杯」
知ってんのに何で聞いたんだよ
「知ってんのに何で聞いたんだって言うんだろ。何年一緒にいると思ってんだよ」
「何年だっけ」
今は高2になったばっかり。初めて会ったのが……
「「小2……?」」
「は?9年??」
「あんた早生まれだから16歳?」
「お前17か」
「「人生の半分以上コイツと居んのかよ〜……」」
「って言うと思った」
「言わない訳ないだろ」
「どうせなら白鳥沢のエリートと幼なじみになりたかったぁぁ」
「俺だって烏野の美人マネと幼なじみがよかったわ!」
「美人マネじゃなくて悪うござんした」
「もっと心込めて謝れ」
「ぶちのめすぞ」
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作者名:ドリブル | 作成日時:2020年3月27日 0時