高杉×入江 短編集

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高杉side

入江は昔から薬が苦手なんだよなぁ(笑)

苦いのは分かるけどさ……

高「入江！ちゃんと飲まないと治らないよ」

入「……やなのぉ」

高「ちょ、入江？」

入「ふぇ、高杉の意地悪っ」

ぽたぽたと涙が溢れる。

高「な、泣くなよ！」

入「知らないっ」

入江は寝ていた体を反対にやり俺から少し離れる。

高「入江〜ごめんって」

入「……」

高「なぁ入江っ、」

俺は入江の横に寝転び、入江を後ろから抱きしめる。

入「ビクッ」

高「分かった。飲まなくていいから、寝よ？」

入「高杉、怒ってる？」

高「怒ってないよ？」

入「ほんと？」

高「うん。ほんと」

入「高杉！！」

入江は勢いよくこっちを向いてニコッと笑った。

やべ、可愛い

高「薬、飲まなくていいから寝よ？」

入「……高杉も一緒？ｳﾙｳﾙ」

高「ん、俺も一緒だから」

入「一人にしないでね？」

高「うん、俺がいるから」

そう言うと安心したのかすーすーと寝息をたてながら寝始めた。

その様子を見ながら入江の頭をポンポンとリズムよく撫でる。

普段はクールでかっこいい入江だけど、風邪引いた時とかはこうやって甘えてくる。

高「変わんねえな(笑)」

昔からそうだった。

もっと小さい頃から入江は我慢強くて、何かあっても絶対に誰にも言わない性格だった。

だけどある日、入江がすげー熱だしてて、それさえも誰にも言ってないときがあった。

無理やり学校に来て、明らかに調子悪いのに、俺は大丈夫だよって。自分のことよりも他の人のことばっかり思ってて。

でもやっぱり体力の限界が来たのか、バタッと倒れた。

そん時はマジで焦って咄嗟に入江を抱きかかえて保健室まで猛ダッシュした。

それからかな？入江が俺だけに甘えてくるようになったのは。

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