名取先生の色々な日々

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名取side

緋「完全な胃腸炎ね」

病室に連れられひとまず落ち着いた俺に出された言葉は胃腸炎

過度なストレスから来てしまったらしい

藍「とりあえず薬を投与しといた。1週間ほどで治ると思う」

名「ありがとうございます」

緋「ねえ名取？あんた無理しすぎ。なんでもっと早く言ってくれなかったの？結構危なかったわよ？」

名「……べつに」

緋「別にじゃないでしょ？こっちのことも考えて。もしあんたが今日ヘリ担当だったら患者さんにまで影響が出るとこだったのよ！？」

名「……」

緋「なんとか言いなさいよ！」

名「緋山先生に何がわかるんですか！」

自分でもびっくりするくらいの声が出た

緋山先生も藍沢先生も目を見開いてる

名「俺は好きで医者になったんじゃない。好きでここにいるわけじゃない。親父という存在に人生を縛られてきたんです。無理してでもやらないと親父にまたなんか言われる！もう親父に怒られたり、嫌なこと言われるの嫌なんです！だから俺は無理してでも、体が壊れてでもここに来ないといけない。俺が、名取颯馬として生まれてこなかったら……もっといい医者になってたかもしれない。もっといい人生を送れたかもしれない。俺のことわかったような口聞かないでください」

病室の薄い布団をぎゅっと握りしめる

白い布団にぽたぽたと流れる涙

染みができて濡れていく

胸がぎゅっと押しつぶされたみたいで苦しい

今まで誰にも言えなかった本音

こんな形で言うのがものすごく嫌になってきて、さらに強く拳を握る

しんとなった空間に1人の医者が口を開いた

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