第4章《穢れた血と幽かな声》 ページ33
金曜日の夜───Aは図書館へ訪れていた
「こらニフラー､入ってて」
ポケットをとんとんっと叩くとAは大きな棚な立ちはだかった
Aが借りていた『マーリンも舌を巻く変身術(4)』
借りた時はちょうど居合わせたハグリッドにとってもらったが､今回ばかりは1人で戻さないといけない
「
Aは呪文を唱えるとそろりそろりと本を棚に戻していく
分厚い本はバランスが取りにくく､球体の上に乗せているかのように今にも落ちそうだった
右手で杖を持ちながら左手で抑え､ゆっくりと浮遊させる
───このまま…
「何してるんだ？」
「わっ!!」
集中力がプチンと切れた───その時
さっきまで浮遊していた分厚い本がAの頭の上に真っ逆さまに落ちてきた。これを頭にくらえば失神は間違いないだろう
Aは思わずギュッと目を瞑った──
──がいつになっても頭に痛みはこない
「もしかして戻せなかったのか？」
目の前の青年はそう言うと借りていた本を軽々と持ち､足りる身長で戻してくれた
「ありがとうございます…」
Aが頭をぺこりと下げると青年は爽やかな笑顔で微笑んだ
「いいよ別にこれくらい。それにもっと周りの人を頼ればいいのに」
「身長が小さいって認めたくないです」
Aの真剣な表情に青年はまた顔をくしゃっとして笑った
「急に暖炉から飛び出してきたり､君って本当に面白いな」
暖炉と言う言葉にAが首を傾げた
「なんのこと？」
「もしかして､覚えてない？」
Aは頭をフル回転させた
─────『だって君A・スキャマンダーだろ？去年表彰されてた…確か三頭犬の女の子』
『少し縁があってね､じゃあまた会えたら』───
「あぁ貴方はあの時の…」
「思い出したか､そうあの時のだよ」
私と会ってからこの人はよく笑う
「Aって呼んでもいい？」
Aは快く了承した
「貴方の名前は？」
思わず聞いてしまった
「僕の名前…知らない？」
青年の問いかけにAが頷いた
「そうか知らないか…んー､秘密かな」
本をパタンと閉じると青年は本を棚に戻した
「秘密？名前くらい教えてくださいよ」
「今じゃなくてもいい､だろ？それにいつか絶対分かる」
「もしかして──
Aのドン引きする顔に青年は笑いながら全力で否定してきた
「いつか教えるよ､じゃあまたね」
彼は図書館を去っていった
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Luna riddle(プロフ) - 今までで1番更新を楽しみにしているお話です！ドラコ推しなのでドラコとの絡みがあってもうほんっっっとに助かります！！ドラコ堕ちだったら嬉しすぎますがどんなお話になっても楽しめそうです！！！素敵なお話ありがとうございます！！❤️🤍 (1月30日 22時) (
レス) @page26 id: 3318266b0c (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 魔法生物、ズーウー出して欲しいです(笑) (8月29日 12時) (レス) @page42 id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ39で、主人公の名前が変換されてない箇所があります。 (7月21日 18時) (レス) @page39 id: ba491fb673 (このIDを非表示/違反報告)
モフフサ - 作品の更新楽しみです (7月20日 22時) (レス) @page37 id: 92225f0aae (このIDを非表示/違反報告)
ささみだよ(プロフ) - すごく面白いです！1日ですべて読んじゃいました、、、！更新待ってます！頑張って下さい！ (2023年3月22日 4時) (レス) id: d190ff09f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊子 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b2feacb2cf1/
作成日時：2022年8月14日 19時
