芸人さんいろいろ短編集 (ページ18)

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曲×稲田さん【Die Antwoord/We Have Candy】ページ18

劇場の帰り、建物と建物の真っ暗な隙間から声がした。

「Come to The dark side」

怖い…気のせいやと自分に言い聞かせて歩き始める。

「どこに行くの？暗闇においでよ。ほら、はやく。暗闇に…来なさい。」

体が勝手に動いた。自分の意思では体が動かない。
この声に誘われるように暗闇の前に立った。

「私たちにはキャンディがありますよ？」

稲田「そうですか、でも僕はコーヒーが飲みたいです」

口も勝手に動く…魔法にかかったみたいや…

中からはコソコソコソコソと何かを相談している。
コーヒーは想定外やったんやろうか？

「もちろん、コーヒーはありますよ？ミルク、ブラック、カプチーノ…どれにしますか？」

稲田「ブラック…僕の魂のような。」

自分でも意味のわからないことを喋っているのはわかった。
ブラックな魂とは…？

「素敵…。black soul…。欲しい…。来なさい…！」

体が引っ張られ暗闇の中に入った。

目の前には白、赤、青…様々な色の火が灯っていた。

ユラユラ動いている…人魂…？

「With a black soul we can come back to life…!」

言葉がわからない。

出されたのはロリポップとブラックコーヒー。

甘い香りと苦い香り。

「ふたつのハーモニーであなたのsoulは私たちのエサになる。」

今日から僕は、

暗闇の支配人だ。