芸人さんいろいろ短編集 (ページ14)

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曲×山名さん【初音ミク/自傷無色】ページ14

君は俺に、

「私とあなたがもし顔も名前も知らない他人だったら、私が死んだときあなたは何を思う？」

と聞いた。

山名「何も思わない」

他人なんやから、と俺は答えた。

これが普通。

「じゃあ、今の関係で死んだら？」

山名「そりゃあ、悲しいし寂しい。大切な人を失うから。」

これも普通。

愛している人を失うほど絶望的なことはない。

でも、彼女は、

「悲しまないでよ…悲しんでちゃダメだよ」

山名「…まあ、そうよな(苦笑)お前の分まで強く」

「喜んでよ！！」

山名「へ…？」

狂っている。

「私が生きていることに悲しんで！もっと残念がってよ！！」

山名「何を言ってんねん！なんで愛してる人を失って喜ばなあかんねん！隣におるのをなんで悲しまなあかんねん！そんなんおかしいやろ！」

「死にたいの！！！」

その言葉が部屋に響いた。

山名「なんで…？いやや…！」

「私が死んだってなにも変わらない。あなただって私がいなくなったらラクになれるよ？もう気を使わなくていい」

だから笑って？と彼女は言う。

笑顔で死にたい、だから！と。

やから俺は、情けなく泣き続けた。