【HQ】高校バレー界の問題児とは 3

三十六話 ページ37

｢わりぃ、遅れた…ってあれ｣

｢！！彼氏さんですか！？｣

『…んー、ノーコメントで』

｢せっかくのデートの邪魔してすみませんでした！
春高頑張ってください！それから彼氏さんともお幸せに！｣



深くお辞儀をして彼女は去っていった。
…嵐のような子だったなぁ。

少し苦笑いをして、先程来た彼に目線をやる。



『…3分遅れてますけど？夜久先輩』

夜久｢部活が長引いたんだよ。許せ｣

『自分から誘ったのに薄情な人。』

夜久｢だーかーら悪いっつってんだろ！
つかノーコメントとか言ったら勘違いすんだろ。お前の知名度だとすぐ噂になるぞ｣

『ふふ、だって彼氏じゃないとか言えないでしょ』



中学時代の先輩 夜久衛輔
昨日連絡してきたのは彼だ。

彼もバレーに青春を捧げているので、もちろん恋人なんていない。恐らくモテないだろうし、遊ぶ人がいなかった寂しい人だ。

いやでも、てっきり部活のメンバーで過ごすと思っていたけれど。音駒も仲良いから。



『夜久先輩はリエーフあたりと過ごすのかと。』

夜久｢アイツはブラコンな姉ちゃんいるから家族で過ごすんだと。山本も妹がいるし、黒尾と研磨は家でクリパ、福永は最近お熱いらしいし、他は旅行行っちまった。｣

『ぼっち乙ですね』

夜久｢うるせぇ。ていうかお前こそ木兎たちと過ごすと思ってたけど。今回もダメ元だったし。｣

『いやぁ、誘おうと思ってたんですけどね…』



リア充二人は今日も不在。木兎さんは誘う前に赤葦さんに取られた。木葉さん小見さん猿杙さん辺りは非リアパーティー、鷲尾さんと尾長は家族で過ごすらしい。他の女バレ部員には、お前とは過ごしたくないと言われた。

…私も相当寂しいな。



『まぁ別に良いですよ。
ぼっち同士仲良くしましょう？』

夜久｢はいはい、で、お前はどこに行きたいんだ？
昨日行ってみたい店があるって言ってたろ。｣

『あ〜、それはですね…』



携帯をスワイプさせ、ある画面を開く。
夏からずっと行ってみたかった、食べてみたかった。

中々時間がなくて行けなかったけれど、今日こそ…！


『じゃーん』

夜久｢…タピオカ？｣

『はい、タピオカ。飲み放題行きましょう！』

夜久｢俺飲んだことないんだよな｣

『私もないです！』

夜久｢え、初回から飲み放題いくの？｣

『飲むなら沢山飲みたいでしょ！！』





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『あ、夜久先輩』

夜久｢(良かったジャージじゃねぇ！！)｣

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