【HQ】高校バレー界の問題児とは 3

三話 ページ4

『で、古森さんは梟谷だと思うんだ。まぁ普通はそう思うよね。梟谷の方が成績残してるし。』

古森｢今日は木兎さんも気合い入ってるっぽいしね〜。あの人がノってるときのプレーは見ていて気持ちいいよ。｣

『確かに、音駒相手は気合い入るよね…』


合宿で何十回もやった相手。
お互いの手は知り尽くしている。


古森｢まぁそれを知るために試合やるんだから、こんな予想意味無いけどね。｣


じゃあ行くね、と私の頭をぽんぽんと叩き古森さんは階段を降りていく。…馬鹿にされてる。


さて、話を戻そう。

梟谷ＶＳ音駒

合宿のときの勝率は梟谷の方が高かったけれど、先程も言った通り木兎さんの調子はムラがある。それ抜きでも強いのだが、矢張り木兎さんの力がないと中々厳しい。

しかも相手は音駒。木兎さんは分かっていても止められないけれど、他のメンバーは音駒相手には拾われることが多い。


まぁ今日は梟谷かな。異様に集中してたし。


『後は赤葦さん次第かなぁ』

｢赤葦さん？｣

『あの人の調子をコントロールするの得意だから。木兎さんが常時好調なんてこと滅多にないし、赤葦さんがどう木兎さんに決めてもらえるかが鍵かな。』

｢ふーん、あ、始まったよ。｣



笛がなる。猿杙さんからのサーブ。

強烈なジャンプサーブだ、けれども。



『あーあ、夜久先輩んとこ行っちゃった。』


夜久先輩が孤爪さんの頭上に返し、真ん中から黒尾さんが決める。


｢私あの人のセットアップ嫌い。全く読めないもん｣

『あー、影山くんとはまた違う読ませないセッターだよね。レシーブ綺麗に入るから動かなくて済むのか。厄介だねぇ。』


極小のモーション。
護りの音駒だからこそだ。

山本さんのサーブ。

木葉さんが返し、赤葦さんはレフトに託す。


思わず顔を歪ませる。
女子では有り得ない音だ。

海さんの手に当たったボールは応援席まで飛んでいき、音駒の応援の女の子がキャッチする。

打ったのは木兎さん。さすがだ。


木兎｢ヘイヘイヘェーイ！！！｣

｢凄いなぁ木兎さん。｣

『うん。私もあれくらい飛ばせればなぁ』

｢え、たまに飛ばしてるじゃん。ギャラリーまで｣

『私は角度、木兎さんはパワー。私ももっとパワーつけたいと思うんだけど。ほら、うちの部ってウェイトトレーニング少ないから。』

｢そんだけ出来れば十分でしょ。
確かに、木兎さんのパワーは憧れるけどね。｣

『でっしょ？』

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