二十二話 ページ23
そしてやっとウェイトトレーニングが終わったと思ったら、次はグラウンドで走り込み。ちなみにこちらもユースメンバー全員でやるメニューだ。
スタミナとパワーが課題のAは人一倍キツいメニューである。
技術はトップレベルだが、体はまだまだらしい。
笛がなって選手たちが走り出す。その中にはAも混じっていて、他の選手の1歩前に出ていた。
「…足速いのに、すぐスタミナ切れちゃうのよねぇ。」
「でも今日は頑張ってる方だと思いますよ。」
タイマーを持っている選手の元に一番最初に着いたのはAだった。彼女の身体能力は群を抜いて素晴らしい。しかし何故スタミナがないのか。
走り終えたAは建物で日陰になっている場所へと倒れる。そこにいた佐久早は心配そうにAを一瞥する。
『き、聖臣くん、おみず…』
佐久早「…………」
佐久早は自分のドリンクをAの頭にかけた。
真冬だと言うのに、キンキンに冷えた水は気持ち良く感じる。
神様…と佐久早を拝める。
すると佐久早は引いた目をしてその場を離れた。
影山「おい、大丈夫かよ。」
入れ違いにやってきたのは影山だ。
彼もまた、Aを心配そうに見つめて、新しく貰ったドリンクをAに差し出す。
Aはぐったりとして水を補給する。
影山「次1000mだぞ。そんなんで大丈夫か?」
『…な、なんでそんなに元気なの…』
影山「いつも日向と走ってるからな。これくらいならまだまだ余裕だ。」
『ば、ばけもの…』
目の前の男が恐ろしく見えた。
こんだけ走って、ダンベル上げて余裕?冗談はよしてくれよ。笑えないって。
しかし彼の表情を見ると、本当に余裕そうだ。
私のスタミナがないだけなのか、それとも彼らのスタミナが異次元なのか。
「つつみぃ!!すぐ1000mいくよ!!」
自分の名前を呼ばれる。
休憩時間が短すぎないか?どうして彼女たちはそんな大声を出すほどの余裕があるのか。
私は立ち上がろうとしても力が入らないくらいなのに。
影山「お前立てないのかよ。」
『膝がね、震えちゃって…申し訳ないんだけど、手を貸していただけますかね?』
影山「…貧弱」
『う、うるさいな!』
差し出された手を弱々しい力で握る。
グイッと上に引っ張られ、望んでいた通りに立ち上がることが出来た。
有難いし、良かったけれども。
『…行きたくない』
影山「早く行けよ、ボゲェ」
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まりも(プロフ) - ピポ爺さん» そうですね、どんどん加速してってます(笑)肝試し!!良いですね〜、堤ちゃんはやっぱりお化けサイドでしょうか?それとも驚かされる側...?めっちゃ迷いますね。リクエストありがとうございます!絶対書きたいと思います! (2020年4月24日 21時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
ピポ爺 - 堤ちゃんの暴れっぷりがすごいですねwいつも爆笑してお腹痛いですwwリクエストで「合宿肝試し大会!!」みたいなの見たいです!これからも更新頑張ってください!!長文失礼しました。 (2020年4月24日 21時) (レス) id: ead179c42c (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ぱるさん» 侑くんなら本当にやりそうだなぁと思って(笑)リクエストの件了解しました!確かにいつも止まらない堤ちゃんが怒られてるとこ見たいですね(笑)なんだかんだ甘やかされているので。リクエストありがとうございます!絶対書きたいと思います!! (2020年4月24日 18時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - 侑女ドッキリに爆笑しましたwwリクエストなんですが、合宿で大暴れしすぎて北さんとか大地さんといったオトン?オカン?メンバーにこってり絞られる堤ちゃんが見たいです!更新頑張って下さい! (2020年4月24日 17時) (レス) id: 2eff38e9c1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ロアさん» 絶対堤ちゃんはレポート出してないですからね(笑)やっぱりセッターズと絡ませたいですよね〜。顔面国宝ばかりで大好きです(クズ)堤コスプレ計画もお任せ下さい!リクエストありがとうございます!絶対書きます! (2020年4月24日 15時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2020年4月15日 6時