十四話 ページ15
『やっと着いた!味の素!!』
「やっとって…私たちは東京に住んでるだけで良い方でしょ。九州とかから来てる人もいるんだから。」
「うわぁ、ここが味の素ナショナルトレーニングセンター…。こんな所でいつも練習してるんですね。」
「田舎者みたいだからやめて。
それじゃあ、私たちはあっちだから。堤じゃあるまいし大丈夫だとは思うけど、迷惑かけないようにね。食事の時間でも会えるし。
それから、上手い人の技術を盗んでくること。
なにかあったら連絡してね。」
大きな鞄を背負った少女が三人。
我らが梟谷学園女子バレー部で全日本ユースに選出された強者たちである。
しかしその内の一人は候補生。残り二人が練習する体育館とは別々らしい。どうやらここでお別れのようだ。
大塚は心配そうに見つめたが、彼女はどこかの阿呆みたいに常識を弁えていない訳では無いから大丈夫だろうと背中を押す。
___そこへ。
影山「あれ、大塚さんたちっすか?ちわッス」
一瞬なぜここにいるんだと彼女たちの頭に過ぎったが、そう言えば男子たちも一緒だったと思い出す。
彼、影山飛雄の実力ならば全日本ユースに選ばれているのも頷ける。大塚はそちらを向いて笑顔を作った。
「影山か。まさか貴方も選ばれているとは」
影山「女子も一緒だったんすね」
『影山くん選ばれてたなら連絡してよ〜。
私びっくりしちゃった!』
Aは手で電話のポーズを作り影山に向けた。
影山はAがいることに大して驚きはない。彼女がユースに選抜されることは前から知っていた。
『牛島さん倒したんだって?頑張ったね』
影山「…通過点だ。
お前に追いつくまでの道のりは遠い」
『私に、ねぇ。全く、まぁ私みたいな魅力的な人間に憧れちゃうのは分かるけど!』
そう言って隣にいるみゆきに視線を向けた。視線を向けられた本人は気まずそうに目を逸らす。
Aは影山の頬を両手で挟み、自分の方へと近づける。影山の表情は驚きに染まる。それを見ていた大塚も顔を赤くした。
『青は藍より出でて藍より青し。知ってるかな?』
___お馬鹿な影山クン?
自分も馬鹿なくせに何故そんな言葉を知っているのだ、と大塚は心の中で思った。
影山は矢張り知らないようで、頭にハテナを浮かべて首を傾げる。
それを見てAは小馬鹿にしたように笑った。
両手を離し影山とAの距離が離れる。
『期待してるよ。影山くん』
そしてAも、影山の背中を押した。
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まりも(プロフ) - ピポ爺さん» そうですね、どんどん加速してってます(笑)肝試し!!良いですね〜、堤ちゃんはやっぱりお化けサイドでしょうか?それとも驚かされる側...?めっちゃ迷いますね。リクエストありがとうございます!絶対書きたいと思います! (2020年4月24日 21時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
ピポ爺 - 堤ちゃんの暴れっぷりがすごいですねwいつも爆笑してお腹痛いですwwリクエストで「合宿肝試し大会!!」みたいなの見たいです!これからも更新頑張ってください!!長文失礼しました。 (2020年4月24日 21時) (レス) id: ead179c42c (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ぱるさん» 侑くんなら本当にやりそうだなぁと思って(笑)リクエストの件了解しました!確かにいつも止まらない堤ちゃんが怒られてるとこ見たいですね(笑)なんだかんだ甘やかされているので。リクエストありがとうございます!絶対書きたいと思います!! (2020年4月24日 18時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - 侑女ドッキリに爆笑しましたwwリクエストなんですが、合宿で大暴れしすぎて北さんとか大地さんといったオトン?オカン?メンバーにこってり絞られる堤ちゃんが見たいです!更新頑張って下さい! (2020年4月24日 17時) (レス) id: 2eff38e9c1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ロアさん» 絶対堤ちゃんはレポート出してないですからね(笑)やっぱりセッターズと絡ませたいですよね〜。顔面国宝ばかりで大好きです(クズ)堤コスプレ計画もお任せ下さい!リクエストありがとうございます!絶対書きます! (2020年4月24日 15時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2020年4月15日 6時