【HQ】高校バレー界の問題児とは 2

六話 ページ7

｢堤、ちょっとおいで。｣

『大塚さん…なんすか、朝っぱらから。まだ起きたばっかなんですけど。もしかして恋バナですか？恋バナですね。それに関してはもう私に言うことはないですよ。』

｢今まで私には野次しか飛ばさなかっただろうが。｣

『えっ、めっちゃ応援しましたけど。』

｢……。それよりも！！あんたね、めちゃくちゃ他のチームからクレームきてんのよ。分かる！？｣

｢あぁ、あれか…。｣



肩を揺さぶられ頭がガクンガクンする。

実は彼女パワー5なんでね。困っちゃいますよね。



『私にクレーム？覚えがありませんね。』

｢じゃあ読みあげるけど。

烏野主将から。[うちの影山が堤さんに嘘をつかれて泣いていました。そちらの教育はちゃんとなさっているのでしょうか。]

音駒主将から。[おたくの堤さん、ちょっと破天荒過ぎじゃない？研磨と夜久がなんかめっちゃキレてるんだけど、覚えある？]

梟谷副主将から。[そちらの堤さんが俺たちに凶悪なイタズラを仕掛けたり、人が隠していることを人前で言おうとしたりしてきます。この合宿中だけでもどうにかして欲しいです。よろしくお願いします。]

生川主将から。[堤が俺と彼女が一緒にいる所を盗撮していると聞いた。本当にやめて欲しい。]

森然主将から。[ブロッコリーよりカリフラワー好きってどういうこと？]

ってきてるけど。覚えは？｣

『そりゃあ、ありますけど。』



ドヤ顔で言い放つAのみぞおちにパンチを決める。Aは嘔吐いて布団に倒れる。

大塚はクレームの紙をAの顔に押し付ける。Aは鬱陶しそうに紙を退けた。


『まぁ前4つは素直に謝りますけど、最後なんなんですか。カリフラワー好きで文句あんのかよブロッコリーがよォ！？』

｢なんで逆ギレしてんの。｣

｢というかクレーム多すぎない？｣

｢この他にもあと20通くらいあるらしい。｣



Aのまだ温かい布団には30枚ほどの紙がバラバラと広がっている。

Aは一枚拾って内容を確認し、それを投げた。



『まぁ誰になんと言われようと、私は私。この性格は個性ですから。それに、私が真面目っ子になっちゃったら皆さん寂しがると思いますよ？』


Aが真面目っ子になった未来を想像してみる。

確かに、なんだか面白くない。デンジャラスAのときの方が数倍楽しい。



『てことで、これ捨てといてください♡』

｢…ちょっとは反省しろ馬鹿堤がァァァァ！！！｣

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