【HQ】高校バレー界の問題児とは 2

三十七話 ページ38

岩泉｢及川、携帯鳴ってる。｣

及川｢本当だ！ゆうちゃん(彼女)かなぁ？こんな時間にかけてくるなんてホント可愛い！！｣

花巻｢リア充爆ぜろ｣

松川｢俺ベッドが良いんだけどさぁ｣



こちら、宮城の青葉城西高校も合宿真っ盛りであった。各部屋4人ずつの部屋に、いつもと同じ三年レギュラー組が揃っている。

及川は鳴っている携帯の画面を見て、眉を顰める。

見たことの無い電話番号だったからだ。オレオレ詐欺かと思ったが、一応出てみることにする。

怪しさMAXなので、スピーカーにして四人で仲良く聞くことにした。及川が恐る恐る応答ボタンを押す。



｢もしもし、及川徹さんの携帯ですか？｣



どこかで聞いたことのある、女の子の声だった。
たまにいる愛の重い自分のファンだろうか。正直こういうのは迷惑なのでやめて欲しい。

チラリと三人の様子を見る。三人もどこかで聞いたことがあるようで、顎に手をやって悩んでいる。


及川｢はい、及川ですけど、どちら様ですか？もし俺のファンだったら…｣

｢本当に及川さんの携帯ですか？影山飛雄の携帯じゃないですよね？及川徹さんですよね？｣


中学時代のクソ生意気な後輩の名前が出てくる。

飛雄の知り合いだろうか。というか飛雄に女の子の知り合いなんていたんだ、なんて失礼なことを思いつつ自分の記憶を辿る。

本当にどこかで聞いたことがある。
女の子にしては低めで、少し掠れたような声。



｢あ、すみません。



私は、堤Aと言います。ずっと、貴方とお話がしたかった。及川徹さん｣



堤A。


＿＿＿おにいさん、名前は？


思い出した。あの時の女の子。それから、



花巻｢堤、Aって…｣

岩泉｢バレー界の問題児じゃねぇか…お前そんな奴と知り合いだったのかよ。
そういえば、この前影山にお前の連絡先聞かれたな。許可とんの忘れたけど。｣

及川｢いやそこは聞いて！？｣

松川｢あーそういやさ、一年前くらいかなぁ？宮城で小さな中学生の大会あったじゃん。俺らが補助員で行ったやつね。そん時いたよね、堤A。今とは全然違ったけど。｣


で、及川がその子ナンパしたんだよね。
まぁその時イロイロあったんでしょ？

まっつんがスピーカーをオフにして俺に携帯を握らせた。


松川｢積もる話があるんでしょうよ。邪魔者はち〇ち〇侍ゲームでもしてますよっと｣

花巻｢負けたらアイスな。自販機の｣

岩泉｢お前と話がしたいっつってんだ。ちゃんと聞いてやれよ。｣

及川｢了解！｣

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