【HQ】高校バレー界の問題児とは

十七話 ページ18

『あの、私今合宿中なんでっ』

白布｢おい堤、牛島さんが電話したいって言ってんだ。てめぇの都合なんかで決めてんじゃねぇぞクソガキ。｣

『面倒くさ…じゃあ聞きますけど、白布先輩は牛島さんのなんなんですか。彼女気取りなんてしちゃって。』

白布｢あ？んなの牛島さんの未来の旦那に決まってんだろ。いや、嫁か？まぁ未来のパートナーになることは間違いないな。今も牛島さんの相棒は俺だけど。｣

『キモすぎ…マジ無いわ』



キーキーと騒ぐ白布先輩の声がうるさくて携帯を耳から離す。
全く、牛島さんの信者にも程があるだろう。まるで恋のライバルに騒ぐ女子じゃないか。元ヤンの癖に。



『そろそろ変わってください。白布先輩と話すのはもう飽きました。』

大平｢ごめんなぁ堤。誰がいい？｣

『大平さん。んーと、五色あたりに。』

大平｢工？｣

『えぇ、彼は面白いですから。』

大平｢工、堤が話したいって。｣



ありがとうございます、と大平さんに伝える。頭のおかしい白鳥沢メンバーの中の唯一の常識人の彼にはよくお世話になっている。

それに対し他のメンバーは本当になにを考えているか分からない。特に川西先輩、あの人は下ネタしか言わないから少し苦手だ。



五色｢もしもし、代わった。｣

『あれ、静かだね。先輩たちは？』



変わった五色の声は落ち着いている。

普段は犬のような後輩キャラらしいが、同級生相手には違うらしい。二重人格なのかな。


五色｢自分の部屋戻ってきただけ。先輩たちの前で話したら冷やかされるし。｣

『ふーん、そう言えば寮だっけ、白鳥沢は。ならoffの日なんてないんでしょ？アンタはついていけてんの。』



こんなことは聞かなくてもわかっていた。あんな強豪校で1年ながらもスタメンに入っていて、次期エースとも言われている彼のことだ。毎日怒鳴られながらも必死に食らいついているだろう。

そう言えばインハイの時に見た白鳥沢の監督、怖そうだったなぁ。きっと期待されているだろうし、人よりもたくさん怒られているのは目に見える。
…自意識過剰な訳では無いけれど、私も実際そうだった。毎日毎日、怒鳴られる回数は増えるばかりだ。



五色｢当たり前だろ。俺を誰だと思ってる。｣

『おかっぱ二重人格。』

五色｢はぁ？…なんかお前、初めて会った時はもっとちゃんとした奴だと思ってた。｣

『五色って私の異名知んないの？バレー界に現れた問題児だよ。そんな常識人なわけないでしょ。』









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