◇*21*◇ ページ21
.
10分経っても全くプリントに手をつけなかった私に対して、櫻井くんはテキパキと10分ぐらいでプリント半分はまとめていた。
.
はぁー、さすが優等生は違うわ。
.
私と彼における立場が違うことを改めて自覚。
プリントを次々と掴んで行く櫻井くんの細くて長い指を、私はただボーッと見つめてる。
.
「あっ、相葉さんごめん……」
「え、何が?」
「いや、俺…黙々と作業しちゃって……ほんとつまんない男だね、俺」
「いや! 全然! 全然そんなことない!
むしろ、私がしなきゃいけないのに全部櫻井くんにやってもらって申し訳ないぐらい、です」
.
「ははっ、何で敬語?」端正な顔をくしゃっと崩して笑う櫻井くん。
その笑顔はびっくりするぐらいキラキラしてて
私、この人に本当に告白されたのかなって不思議に思う。
この不条理な世の中でも、その代わりとなるご褒美が存在するんだなって
18歳、早々に人生を悟りました。
.
「ねぇ、相葉さん……」
.
突然、櫻井くんの顔がグッと近くなって思わず椅子を後ろに引いた。
.
そんなイケメンなどアップ、心臓もたないからやめてーーーー!
免疫ないんですーーーー!
.
心の中で叫びながらも、変な女だとは思われたくなくて何とか見た目だけは冷静を装う。
.
「な、何?」
「その、さ。 相葉さん、じゃなくてAちゃんって呼んでもい?」
.
クリクリと大きな瞳が、ビー玉みたいに、透き通りそうなぐらいにきれいな瞳が、私を真っ直ぐ見つめてる。
.
何だこれ、こんな目って本当に存在するのね。
.
私はその瞳に吸い込まれるように無意識のうちにコクンと頷いた。
そしたら「よっしゃっ」って、
それだけのことなのに「すっげえ嬉しい!」って、顔を赤くして本当に嬉しそうに笑うんだ。
.
「Aちゃん」
.
櫻井くんが私の名前を呼ぶ。
それだけで私の名前がキラキラしていくように思える。
.
「じゃあ、私も翔くんって呼んでいい?」
「も、もちろん!!」
.
名前を呼ばれただけで心底嬉しそうな笑顔を浮かべる彼。
その時、私は彼の隣でもニコニコ幸せそうに笑っていられるんじゃないかと思った。
しずかちゃんの隣には出木杉くんが並んでても別にいいんじゃないかと思った、
……それなのに
.
.
.
「部活さぼって何やってんの、キャプテン」
.
.
.
何で来ちゃうの、あんたは。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗乃(プロフ) - 可愛い潤くんが見れてよかったです♪最後の所が、私はとても好きで、主人公ちゃんらしいなぁ…と。(笑)流花さんの文章も、流花さんが書く嵐の皆さんも大好きです☆これからも応援してます!!あの天使潤くんが31歳だなんて信じられないです。口が空いまま閉まりません(笑) (2014年9月2日 21時) (
レス) id: 19838d5a05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
