“元”杉沢第三高校一年担任教諭は泰然自若でありたい。（3）【呪術廻戦】

77.お咎め ページ13

「それを今こうして僕が咎めてるの、多分君は自分が厄介事を増やしたからだとか思ってるでしょ？」

『違うんですか？』

「違うよ」


五条先生は少しの間口を噤んだ。どこまで言葉にして伝えるか吟味しているようだった。


「……私欲も含めて本音を言うと、その話を聞いても僕は君に前線なんて出て欲しくない。実力が有ろうと無かろうとね」


私の願望の大半には不賛成という意見。

見当は付いていたけど、五条先生の場合、個人の戦力が規格外過ぎて逆に援護は無用どころか邪魔になるってことかな。


「でも君の決意を撤回させる術は実力行使以外思いつかないし、そんな真似もしたくない。だから、せめてこれだけは頭に入れていて欲しい」



「──────自分の事を、粗末に扱うな」




……どうして、そんな事を言うのか分からなかった。

大切な人がこれからも一層増えていくなら、尚更自分自身の事なんて重んじるべきじゃ無いと思うから。


「僕は自分の預かり知らぬ所で、君が危険に身一つでずかずか踏み込もうとするのが危なっかしいって言ってるんだ。さっき君が考えてた事は見当違いだよ」

『………考えてた事って、それについてはまだ何も話してませんよ』

「でも図星だよね」

『…………はい』


五条先生はエスパーか何かなのかな。心の声が何処まで口に出てるのか分からなくてややこしくなってくる。

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