第25話 実地試験 ページ26
Side:家入
＿＿＿＿毎日の定番とはいえ、今朝は
断片的なセリフを拾うと、何でも昨日、夏油にあてがわれる筈の呪霊を祓った元一般人の事を話しているらしい。
普段ならシカトでもこいてやり過ごすのに、ほんの気まぐれか、なんとなく興味を引かれて近くにいた夏油に尋ねてみる事にした。
「朝っぱらから何ごちゃごちゃ喚いてんの？」
「ああ、硝子は初対面になるのかな」
聞くと何やら、圧倒的少人数が例年な呪術高専に転校生がやって来るんだと。へぇ、と意外さに思わず相槌を打った
今は10月、この高専では時期外れなのは割とある、けれど思わず耳を疑ったのはその生徒の素性について。
『特級被呪者のAAと、特級呪霊のお姉ちゃん、です』
少なからず予想していた凶悪さや奇特さとは一風変わった、何処にでもいそうな平凡な女子高生。
しかし、彼女の内側では威嚇するように凄まじい呪力の波が絶えず逆立っている。
「お、女子じゃん」なんてありきたりな感想が最初に出てきた事に、私も自分で驚いた。
人の事は言えないが、こいつも例に漏れずイカれてるなと、気の抜けた口上を聞いていて思う。
──────
『じ、実地試験？』
「そうだ。まずは君本人の実力と、中の第二人格をどこまで抑え込めるかをハッキリ確かめる」
何やら同級生共々おどろおどろしい廃墟に(強制)移動した私は、立ち込める呪いの気配に眉を顰めた。
夜蛾先生が言うには私だけじゃなく皆通ってきた道らしいけど、こちとら転校初日だぞ。歓迎会とまでは言わないからもう少し労ってくれ。
《なーんか、シメっぽい所だね。呪いもいるし》
あ、やっぱいるんですね。承知です。
みるみる全身から血の気が引く。だいたい苦手なんだよ割とこういうの。フィクションでもギリアウトなのよ。
「今からその呪いを私達で祓いに向かう。分担する範囲はここに向かう前に決めた通りにね」
お姉ちゃんの声は呪いが見える人には聞こえるらしく、夏油くんは言葉に続けるように宣告する。
しかし今はそのにこやかな表情が一周回って憎らしくさえ思った。今ここでその余裕さを7割ほど私に譲ってくれ。
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そす(プロフ) - ツバメさん» コメント感謝です。最近メンタルがガタガタだったので嬉しいです！ (2021年8月29日 19時) (
レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いです更新頑張って下さい (2021年8月29日 18時) (レス) id: 020ea1b549 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 鼓舞の言葉が胸に染み渡りました。沢山の応援コメントに感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございます。 (2021年8月26日 9時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
- 投稿、読みました。私は作者様のつくる作品が大好きです！！いつまでも更新待ちます、体を壊さないように気をつけてください！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: 4299f9747a (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - こんな神作品に低評価なんて信じられません…。落ち込むとは思いますが、気にしすぎないようにしてください。作者様は神です( ・∀・)ｂ！！ 深夜にすみませんm(__)m (2021年8月26日 0時) (レス) id: 5f499357d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そす
| 作成日時：2021年8月21日 15時
