4.警告 ページ6
考えを纏めたので後は懇切丁寧にお伝えするだけだ、とプレゼン前の緊張感に似た意気込みを入れる。
そして、思い切って五条先生の方を見上げた。
が、見上げたまま固まってしまった。
私の手を握っているのと逆の手で、いつの間にか黒い目隠しを下ろして首に下げている。
凄艶な色彩の瞳と目が合った瞬間、先程とは比較にならない緊迫感に圧倒された。
「本当に厄介だよね。何分僕も初めてなもんだし、肝心の相手は今も全然気づいてくれてないみたいだし」
そう言って五条先生は掴んだままの私の手をぐいっと引き上げる。
軽めじゃない方のパニック状態の中、抱え込むような手つきで腕を丸ごと持っていかれた。
「けど、これからもいっぱい口説くから、まだ序の口だよ。君の事、本気で落としたいからね」
そう言うと。
すり、と自分の頬を押し付けた。私の左手に。
え、マジでこれどういう状況? 何で私五条先生のほっぺた撫でてんの?
てかうわ、めちゃくちゃ滑らか。凹凸という概念が無い。私が触ってるの剝きたてのゆで卵か何かだったっけ?
全身を駆け巡る衝撃に、処理作業を託された脳が絶えずにSOS信号を発信している。
「だからさ、今から覚悟しといてよ。
……ねぇ、A先生?」
────初めて、名前で呼ばれた。
今も昔も名字で呼ばれることがほとんどだから、自分でもほぼ忘れかかっていたのを実感する。
『…………ぁ、えっ』
いつもなら喜ぶべき事だろうに、ただただ色んな衝撃が大きすぎて言葉がつっかえて出てこなかった。
「あは、固まっちゃった。かわい〜ね」とか聞こえるけど、今は気の利いた返しも浮かばない。
完全に全身凍結した私がどうにか圧迫面接を逃れたのは、たまたま用事があって職員室を訪れた伏黒くんに発見される15分後だったりする。
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そす(プロフ) - マリオットさん» コメント感謝です! 現在リアルが非常に多忙かつアイデアが浮かばないので執筆活動が疎かですが、ご感想を頂けると毎度はしゃぎ回ってます! (2022年11月6日 13時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 初コメ失礼いたします!大好きです!!続いてほしいです!この作品に出会えて良かったです!!「第二人格は特級らしい」も全て読ませていただきました!本当にありがとうございました!!🙇 (2022年11月3日 11時) (レス) id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 愛鞠_あいまり_さん» 大変遅くなりましたが、初コメントありがとうございます!! (2021年11月20日 23時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
愛鞠_あいまり_(プロフ) - 初コメ失礼します。需要ありますね!とりあえず一言言わせていただくとすきです (2021年10月5日 17時) (レス) @page34 id: 235ec261d4 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 悠希さん» コメントありがとうございます! (2021年9月10日 20時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そす | 作成日時:2021年8月5日 17時