短編4.恋は盲目? ページ29
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あり得ない。
ただ一晩、眠りについただけで精神は変わらず肉体のみ他者のものと入れ替わるなんて、常識的にあり得ない事態が私に発生している。
だが如何せん此処は呪術高専。常識なんか持ち込めない異能が集まる機関なのである。本来なら無いものがあるものとして扱われる以上、あり得ない事もないと言えばない……
ゲシュタルトは早くも崩れ去る。状況を整理できず硬直を溶けないでいると、突然、ノックもせずに向かい側にあるドアが開かれた。この不躾さには覚えがある。
『おはよーA! あ、やっぱそっちも入れ替わってたか。探したよ、僕の
笑顔で手を振り部屋に入って来るその女性に、私は見覚えしかなかった。今、私の目の前にいるのは紛れもなく私だ。身体はともかく中身は五条先生だけど。
「………ッ、コレは……どういうことですか」
『見ての通りっぽいね〜』
「ご説明お願いします」
そこで漸く、“多分昨日の任務で祓った呪霊の術式に掠ったからかも”という情報を聞き出す事に成功した。もっと早く報告してくれ。
身体に異常が無いのは幸いだけど、どうすれば貴方に攻撃を当てるなんて事が、と意外さのあまり詳細を尋ねた。
『なんでってそりゃ、君にトクベツって言われて浮かれて無限張るのちょっとミスったからに決まってんでしょ?』
「やめて下さいよそのキョトン顔。この果てしなく不可解な結末を知っての白状ですか」
『恋は盲目って言うらしいけど、本当とはねぇ』
「こんな形で知りたくなかったです…」
返ってきたのは耳が痛くなるような内容だった。
あと今気付いたけど私の服装パジャマから私服に変わってますね? 嘘でしょ私の身体で着替えたの?寝起きで他人と入れ替わってたら普通もうちょいパニクらない?
ただでさえ早い朝の時間はあっという間に過ぎた。どうにかお互い着替えは済んだけど、まだ朝食も喉を通っていない。当然だ、懸念が多すぎる。
何より私はまだ現実を受け入れきれていない。『細っこい割に以外と
「___五条先生? こんな所で何してるんですか」
生徒達になんて説明しようか……と廊下で立ち止まっていたら、ふと背後からこちらを訝しむような声が聞こえ、恐る恐る振り返った。
「ふ、伏黒くん…」
「は? 何ですかその呼び方」
見た目が違うとここまで対応に差が生まれるのか。
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そす(プロフ) - マリオットさん» コメント感謝です! 現在リアルが非常に多忙かつアイデアが浮かばないので執筆活動が疎かですが、ご感想を頂けると毎度はしゃぎ回ってます! (2022年11月6日 13時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 初コメ失礼いたします!大好きです!!続いてほしいです!この作品に出会えて良かったです!!「第二人格は特級らしい」も全て読ませていただきました!本当にありがとうございました!!🙇 (2022年11月3日 11時) (レス) id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 愛鞠_あいまり_さん» 大変遅くなりましたが、初コメントありがとうございます!! (2021年11月20日 23時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
愛鞠_あいまり_(プロフ) - 初コメ失礼します。需要ありますね!とりあえず一言言わせていただくとすきです (2021年10月5日 17時) (レス) @page34 id: 235ec261d4 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 悠希さん» コメントありがとうございます! (2021年9月10日 20時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そす | 作成日時:2021年8月5日 17時