杉沢第三高校一年担任教諭は冷静を心がけたい。【呪術廻戦】

33.五条先生 ページ35

「ま、もう上にも報告しちゃったから今更どうこう言っても変えよう無いんだけどね」


報・連・相のうちの報だけスピードが桁違い。行動力の塊かこの人。


「でも君、受かったからには変えるつもりなんてさらさら無いんでしょ？」

『！』


……成る程、さすが全てお見通しって訳か。

その通り。

私の心は今、喜びと安堵と有難さで満ち溢れている。

向こうからは合格との御達し。

こうして最強からも歓迎されている。

何より副担任として、生徒達の勇姿や成長を間近で見守れる。

つまり後は、何事においても今まで以上を心がけて前進あるのみ。
　

(……私、これからもちゃんと彼らと向き合う立場でいられるんだ)


紅茶の入ったカップをコースターに置き、逸らし気味だった目線を五条さんに向け直す。


『ええ勿論。喜んで引き受けさせて頂きます』


「ククッ、いい返事！」


五条さんが喉を鳴らした。



「それじゃ改めて。今からよろしく、A先生？」



テーブル越しに差し出された五条さんの右手。

私はその手を自分の右手を伸ばして握り返した。



『こちらこそ、宜しくお願いします！五条先生』



まだ見ぬ非日常が幕を開けようとしている。



(あ、それと五条さん……もとい五条先生に苗字で呼ばれたの初めてかも)


幸先はなかなか良さそうだ。

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