残りの一人、拾捌 ページ20
「A、大丈夫かい？」
『おさ、む…』
吐いた事にかなりの体力を使ってしまったらしく、暫くの間ベッドに横たわる事となった。
まだ少しだけふわふわ、と言うのかぐるぐる、と言うのか分からない感覚にはなっている。
心做しか、部屋の中が少し暑い気もする。
「A、少し良いかい？」
私の顔を見て何を思ったのかそう聞いて治は私の額と治の額を合わせる。
あ、治の額冷たくて気持ち良い…
反対に治は少し顔を歪めている。
「少し、森さんの所に行ってくるよ。
辛かったら直ぐに呼んでね。」
『分かった、行ってらっしゃい。』
前世でも私は何度か倒れる事があって、其の度に治は森さんの所に行く。
何時も治る迄側で看病してくれる治。
何気に治は看病が上手で何時も何か起こる前に私の異常に気付いてくれる。
私も、甘え過ぎちゃうのかな…
暫くして治は戻って来たが其の手には冷えピタとお盆にのったコップ。
「はい、A。
此れで体温計って。」
お盆と冷えピタを机の上に置くと治が私に渡してきたのは何処にでも売ってそうな体温計。
『え、何で…』
「熱、出てるの気が付いてないのかい？」
熱、か…
治に言われて自覚した時くらり、と視界が揺れる。
『ぁ…』
「ほらね、私の体感的には40近かったけど良く起きていられたね。」
私だったら無理、そう言う治。
体温計を脇に挟んで少し待ってみると可愛らしい機械音がする。
「うわぁ、40.6℃か。
流石の私でも此の温度は見た事無いよ。」
本格的に辛くなってきた私を見てくしゃり、と頭を撫でる治。
「森さんには私が伝えておくよ、Aはぐっすり寝てい給え。」
私の額に冷えピタを貼り付けて薬を飲ませた治はひらひらと手を振って部屋を出ようとする。
『ま、て…
治、一人、しないで、やだ、よ…』
治の手を握ってそう訴えれば目の前ににっこり笑顔の治が。
「分かったよ、A。
Aが寝る迄ずっと此処にいるさ、安心し給え。」
私が握った手を離さず、治はベッドの直ぐ横迄来て私の頭を同じ感覚で撫でる。
其のリズムが心地好くて、安心出来て、私は直ぐ夢の中に潜り込んでしまった。
「お休み、A。
もう少しでAを助けてあげられるから、暫くの辛抱さ。」
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いろえんぴつ(プロフ) - 怪盗MOONさん» 皆して敵側ストーリーも面白そうですね、番外編で書く機会があったら書こうと思いますのでこれからも宜しくお願いします。 (2019年10月22日 20時) (
レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - ま、真逆マフィアの皆さま方がヒーローとは・・・(ガクッ・・・)残念です・・・。でも、面白いです！頑張ってください！ (2019年10月22日 19時) (レス) id: 88131deb33 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - Yamaemiさん» 有難う御座います、銀ちゃんと中也さんは意外な気が...とか思いましたが頑張ります。此れからも此の作品を宜しく御願いします。 (2019年9月1日 18時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
Yamaemi(プロフ) - 太宰と武石ちゃん、中也と銀ちゃんをくっつけて欲しいです。毎回楽しみに読んでいます。頑張ってください！ (2019年9月1日 17時) (レス) id: 3b0d6b8867 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 薫也さん» コメント、有難う御座います。矢っ張り此の2コンビは外せませんよね（笑）頑張ります！！ (2019年9月1日 17時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
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