吸血鬼娘は日傘をさす3【ONEPIECE】 (ページ40)

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第百三十一話:キャッチはお姫様抱っこでページ40

「いったいですねぇ......なにしてくれてんだよクソガキがぁ」
「あら、気絶しないあたり流石ね。まぁでも」
「調子乗るなよ、ギィ」

城壁にぶつかったカドゥがもう一度突進してこようとするが、上半身が揺れ動く。そのまま地面に膝を着いた男は肋を押さえている。

「骨の何本かはいってるでしょうね。痛いでしょう？なんたって吸血鬼の蹴りだもの」
「なんだって！？」

アーロンがワナワナと震え、Aを見ている。

「夜なら、もう少し楽にすることが出来たのにごめんなさいねカドゥ」
「は、は、呼ぶな」
「あら随分とご機嫌斜めね......お可愛いこと」
「グッ」

カドゥは顔を顰め、立ち上がった。そのままゆっくりとAの元へ近づいていく。目の前に立ったカドゥは、腕を腹に目掛けて殴ってくる。

「......ふふ、肉弾戦がお好みなのかしら」
「クソガキが」

傘で防いだ拳は、ワナワナと震えている。悔しさからか怒りからか、恐らくは両方なのだろう。プライドと仲間を傷付けられて、頭に血が上っている。

「よっこいしょっと」
「は」
「でもね、お生憎様。こっちも仲間が傷付けられて腸が煮えくり返りそうなの。魚人だなんだで威張って可哀想な小鳥ちゃんね」

空を舞うカドゥに、笑みを浮かべた。上から血が落ちてくるが日傘で防ぐ。魚人の血に興味は無い。

「ありがとう、非常につまらないダンスだったわ」

スカートの裾をつまんで礼をする。

「あんた、そんな強かったの......」
「これでも弱い方よ。戦い方なんて知らないし、それに昼だから力の三割しかでないけれど」

ふふ、と笑うAにナミが呆気に取られている。

「ところでこの子、戦闘なれしてなさそうだったけど医者？」
「慣れてないって、そいつは鱓の魚人よ......ゾロたちが戦ってた奴らと同じくらい強くて」
「鱓......確か唐揚げが美味しいって聞いたことがあるけれど今度どこかで売ってるかしら」
「呑気すぎないA」
「んー、でも血じゃないと腹は満たされないし」

腕を組んで、悩んでいるとルフィの声が聞こえた。

「あ、ルフィ」
「うわっはああ戻ったぁ」
「......さて、ゾロの坊やはどこまで飛ぶかしらね」
「え、おい、やめろ、まさか」
「交代だ」
「うわあああああ」
「あら思ったより行くの、ねっ」

流石にあの怪我で海に落ちたら危険だ。拾いに行く人間がいなくなる。

「よっと、大丈夫坊や」
「ぐへっ......あ、あんやろ」

空でキャッチできたゾロは満身創痍で、血が大量に出てて、お腹がなってしまったが血は吸わないことにした。ここで吸血によって死なれるのはなんか、情けなく思えてしまう。