吸血鬼娘は日傘をさす3【ONEPIECE】 (ページ39)

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第百三十一話:覚悟ページ39

「ナミ嬢、平気？」
「ここにいてAは」
「え、嫌だけど」

ナミに手を離され、村人の後ろに置いていかれる。その間にもナミはズンズンと前に進んでいった。

「アーロン、アンタを殺しに来た」
「おれを、殺しに？」

アーロンという男は相も変わらず色々デカイ男だ。声も体躯も態度も。嬲り殺してやりたい、だなんて感情がふつふつと湧いてくる。

「シャーハハハッ......懲りねぇやつだなお前も」

村人の間を通ろうにも、皆地面に足がくっついているんじゃないかと思うくらい動かない。これではナミのところに行けないでは無いか。

「ナミ、お前が測量士になると言えばそこにいる連中は解放してやる......もっともコイツらは始末するがな」
「......坊やたち」

会話の流れから恐らく三人ともやられてしまったのだろう。やはり種族の差は大きいのだろう。

「あら、私をお忘れなんて酷いわ」
「あ？誰だてめぇ」
「ルフィたちの、ナミの仲間よ」
「こんな餓鬼が？シャーハハハ、人手不足にも程があんだろ。餓鬼はとっととママのとこにでも帰んな」
「あら餓鬼なんて失礼ね小僧」

村人がAの為に道を開けてくれる。ゆっくりと、Aはブーツのヒールを鳴らしながら近づいた。

「おい、カドゥ出てこい！」
「あー？なんですかぁアーロンさんってギャー！？はっちゃん大丈夫かぁ！？」

アーロンパークから降りてきたのは、サクソニーブルーの髪を持った魚人だ。白衣を来ており、細身だがなかなかに高身長だ。

「アーロンさんこりゃいったいどういうわけでぇ？」
「そいつらがおれたちの同胞をやったんだ......カドゥ、あの餓鬼もその仲間だ」
「......へぇ」

カチカチとギザ歯を鳴らすカドゥ。

「A」
「大丈夫よ、空は曇りだもの。私の天敵の太陽はいないわ」

日傘を閉じて、杖を着くように傘の石突きをアスファルトの上に置く。

「それに、私たちが簡単に負けると思って？」

ウインクを添えるAにナミは唇を震わせた。

「ごめんみんな！」

振り向くナミの顔は見えないけれど、その先の言葉は想像できた。

「私と一緒に死んで！」

ナミの言葉を合図にカドゥがAに向かって飛んでくる。地面がえぐれるほどの威力。飛んでくる拳を見て、Aは笑みを浮かべ

「ガッ」
「言ったでしょう？天敵の太陽が居ないって」

カドゥを横に蹴り飛ばした。