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第百三十話:気遣いと本心 ページ38
「ナミ嬢立てる？」
「......ん」
泣き止んだナミの顔に片手を添える。目元が随分と赤くなってしまった彼女だが、その目には先程までの拒否感がなかった。
「ふふ、可愛い子。ナミ嬢、ここで待ってる？それともルフィ達のところへ行く？」
「......」
「その前に腕を止血しましょ。傷は浅くないわ......って救急セットナミ嬢の家に置いてきちゃったわね。一旦戻りましょうか」
ナミ嬢は何も言葉を発さないが大人しく着いてきてくれる。
「みかん畑......直してくれたの」
「ええ、既に折れたものや落ちたヤツは無理だったけれど土とかは何とかね。ごめんなさいね、あの時止めておけばよかった」
「......ごめん酷いことして」
「いいのよ、別に」
「ノジコの為にやろうとしてくれたのに」
椅子に座りながら処置を受けるナミは泣いてはいなかったが、どこか辛そうだった。
「別に、彼女のためじゃないわ貴女の為よ」
「あたしの......」
「そうよ、仲間が傷つくところなんて、見たくないもの」
「......なかま」
「ええ仲間。私、ナミ嬢のこと仲間だと思ってたのだけれど、ナミ嬢は違うの？」
ナミの瞳孔が揺れる。少しして、首を横に振った。それだけで、もうナミが離れないことが分かりほっとする。
「そっか、嬉しいわ。それじゃあ行きましょう......ルフィたちのとこに」
「ええ」
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作者名：U・K | 作成日時：2023年9月12日 2時
