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第百四話:心配事は尽きない ページ22
ドン・クリークが倒された。恐らく海軍にも早い内に伝わることだろう。
鴉が空を飛んでいる。不吉の象徴と言われる鴉は、ここのところずっといたはずだ。戦いに巻き込まれることが無く安堵する。
「お疲れ様ルフィの坊や」
「なんだそれ」
「おにぎりよ。坊やもいる？」
「食う！」
箱の中に入れられた小さな三角形のおにぎりをひとつ渡す。ゼフからの差し入れだ。少し早い夜食だ。
「それ食べたら、まだ寝てなさい。まだ顔色が悪いわ」
「ん〜」
「寝惚け眼ね」
おにぎりを一口で食べきったルフィは首を上下に揺らしベッドへと倒れた。きっと明日になればいつも通り食べるだろう。
「ねぇルフィ。ナミ嬢は大丈夫よね」
頬にある傷を撫でる。元の肌とは凹凸があり、不思議な感触だ。彼がゴム人間である事も関与しているのかもしれない。
ゆるりと少しだけ固い髪の毛に触れる。こうみるとまだ幼い子供なのだということがわかって安心した。
ルフィはまだ１７だ。一番若い。未来ある若者なのだ。
「......無理しないでね坊や」
寝室から出て、ヒレの所へ顔を出す。今日の戦いのせいで随分とまぁボロボロになったものだ。
されど船の中まで被害がいかなかったのは、ルフィとここの店の人達のおかげだろう。戦うコックさんは強いのだとAは初めて知った。
「ん、これツナマヨか」
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作者名：U・K | 作成日時：2023年9月12日 2時
