吸血鬼娘は日傘をさす3【ONEPIECE】 (ページ11)

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第百四話:とある吸血鬼によるとページ11

小さな小舟に、二人の成人が乗っていた。片方は優雅に座り、もう片方は男の後ろで男に似た帽子を被り陽射しが当たらぬ様にしている。

「なぁんでこんな所まで来ちゃったのかなぁ」
「そんなに文句を言うのならついてこなければよかっただろう」
「いや、アナタ一度どっか行くと半年くらう戻ってこないじゃない」
「宿があるからな」
「一人でいてもつまらないもの」

腕を組んだ女性は呆れ気味に溜息を吐いた。黄金の瞳を隠しやれやれと頭を振る。つまらなそうな表情を浮かべた吸血鬼は、目を開け当たりを見渡した。

「......え？」
「どうしたルイ」
「いや、待って待って。ミホミホここってイーストブルーであってる？」
「嗚呼、地図通りならそうだな」
「じゃあなんであの人いるのよ。今行方不明だって噂なのよ」

ルイはミホークの肩を掴み揺らした。表情を変えぬままミホークは視線をルイが向ける方向へと視線を寄越す。

「......以前と姿が違うように見えるが」
「バッか、どう見たってなんか纏ってる時点でなんかあるに決まっているでしょ阿呆......なんで番人様がこんな所にいるのかしら」

明らかに興奮した様子で話すルイにミホークは呆れた様子を隠さない。飛んでくる銃弾をいなしながら、ルイに目を向ければ普段は血色に悪い顔が紅潮している。

「ふん」
「え、え、どうしよ。話しかけていいのかしら」
「勝手にしろ」
「えー、やぁ、何回か式典で見た事あるけど可愛い。顔の造形全く変わらないわ凄」

確かに髪色と目の色は違うが顔立ちや骨格は変化が見えない。明らかに人外なオーラも吸血鬼であることは確かなのだろう。

「......」
「なに、どうしたのミホミホ」

黙りこくっているミホークにルイは首を傾げる。
再度声をかけようと思ったルイの声は、若い青年の声に掻き消されてしまった。