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第九十三話:海軍の吸血鬼 ページ48

数十年前から海軍で夜のみ働くとされた吸血鬼。実力は底知れず、ソイツによって滅んだ海賊団の数はしれず。グランドライン内でしか奴は現れず、グランドラインで最も警戒すべき海軍中将は夜の怪物である吸血鬼だと言われているらしい。血を吸われ死体しか残らない船が海中を漂い、幽霊船になっている船もあれば船が跡形もない状態のものもあるだとか。








「ただでさえ化け物ばかりのグランドラインじゃ、トップクラスに敵に回しちゃいけないと聞いた。それでも行くのか」
「グランドラインに行くのは決定事項だしね船長」
「ん?おう!当たり前だろ」
「......あんたら海賊なのか」




ギンが今更ながら質問をしてくる。確かにふにふににょきにょきのルフィが海賊なんて初見では分からないだろ。



「アンタらは悪いやつじゃなさそうだから忠告してやる。あんたら......あんたはまだ若いんだ生き急ぐことはねぇグランドラインなんて世界の海のほんの一部でしかねぇ」




グランドライン。正しく海賊の墓場の名に相応しい場所だ。四皇と呼ばれる海賊、海軍本部の本拠地、七武海の者たちも殆どがそこに住まいを置く。



「___そうね」



しかし地図上どこにも存在しない国を、自身の出生と記憶を取り戻すきっかけが欲しいのだ。
脳というのは複雑で、現在でも解明されていない点が多い。記憶喪失なんかもその症状として挙げられるくらいには繁雑で繊細だ。一生思い出せない可能性だってある。



それでもAは取り戻すために足掻くつもりだ。何か忘れては行けないことを忘れている。胸に開いたままの空虚感と一生付き合っていくつもりなど毛頭ない。





「でも、俺はワンピースを目指すぞ。てかおっさんグランドラインについて知ってるのか?」
「いや、なにもしらねぇ。なにもわからねぇ......だからこそ怖いんだ」
「なにかあったの?グランドラインで」



ギンが目を瞑る。まるで脳内で記憶が再生され苦しんでいるようにも見えた。イーストブルーで名を馳せる海賊団の男がここまで怯える。Aは口を閉じ、それ以上は聞かなかった。これ以上は彼にとって毒だろうと判断したからだ。

第九十四話:情報収集は→←第九十二話:レディと云うより



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ゆおゆお - とっっても好きです!更新頑張ってください! (8月28日 18時) (レス) id: 3120b2a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺお - とっっっても好きです!!! (7月26日 5時) (レス) @page25 id: 9c7d7bec90 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - 無理しないでに頑張ってください❌無理しない程度に頑張ってくださいです!すいません💦 (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - まってめっちゃ好きです…( ; ; )無理しないでいでに頑張ってください!! (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 吸血鬼の大人っぽい主人公最高です!!これからも更新頑張って下さい! (7月2日 4時) (レス) @page3 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:U・K | 作成日時:2023年6月26日 21時

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