第九十話:鬼人と言われし男 ページ44
「ルフィの坊やに会ってくるわね」とヨサクとジョニーに伝え、Aはバラティエの船に入ろうとしていた。しかし足が止まる。
「まぁ、想像はついたけれど」
恐らくここは一定の人にとっては"帰るべき場所"であり、"安心できる場所"でもある。つまりは家として認知されているのだ。
吸血鬼は招かれないと入ることが出来ない。
それがルールだ。カヤの時は屋敷に入れたのは彼女が許可を出したからだ。許可がない今レストランバラティエに入ることは出来ないだろう。
「......残念ね」
予想はしていたからショックでは無い。ただルフィがこのままだとこの場所に停留するはめになるのだ。それは、少々暇になる。
「すまないお嬢さん、どいてくれ」
「あらごめんなさい、海兵さん」
「大変ですフルボディ大尉」
よろよろと走る海兵が店内に向かって声を上げる。何故か悲惨な店内を見てればルフィと目が合う。Aがヒラヒラと手を振れば、ルフィも振り返した。
「海賊クリークの手下を逃がしてしまいました」
「何っ」
海賊クリーク。ペラペラと手帳を鞄から取り出し、Aはその海賊を探し出す。
クリーク海賊団。東の海で首領・クリークが中心となった武装組織。人数は約五千人と人数は多く、総督クリークは懸賞金1700万ベリーで、腹心とされるギンという男は1200万ベリーとなかなかに高水準だ。因みにバギー海賊団のトップが1500万ベリーとなっており、東の海で考えたら高い方だろう。
「申し訳グハッ」
目の前に立っていた海兵が血を吐き出す。心臓があるべき場所に銃弾が通り血が吹き出した。けれども流石銃と言うべきか、そこまでは汚れない床を見下ろして、Aは鼻から下をハンカチで塞いだ。
血腥い匂いは人間にとっては毒だろうが、吸血鬼にとっては薬だ。レストランに美味しそうな匂いが充満している。近くにいたら不味いとAは海兵から距離をとる。
「お嬢ちゃん、どきな」
鋭い眼光がAを射抜く。
「......あら、邪魔だったみたいね。ごめんなさい」
首領・クリーク率いるクリーク海賊団の腹心鬼人と恐れられる男ギンはAを一瞥したあと、店内へと足を運んだ。
「......」
Aは男の背中を見て、ハンカチ越しに笑みを浮かべた。
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ゆおゆお - とっっても好きです！更新頑張ってください！ (8月28日 18時) (
レス) id: 3120b2a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺお - とっっっても好きです！！！ (7月26日 5時) (レス) @page25 id: 9c7d7bec90 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - 無理しないでに頑張ってください❌無理しない程度に頑張ってくださいです!すいません💦 (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - まってめっちゃ好きです…（ ; ; ）無理しないでいでに頑張ってください！！ (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 吸血鬼の大人っぽい主人公最高です！！これからも更新頑張って下さい！ (7月2日 4時) (レス) @page3 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U・K | 作成日時：2023年6月26日 21時
