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第七十話:契約終了 ページ24

「契約終了でいいかしら?」



クラハドールがルフィによって倒されたその日。カヤの屋敷に訪れたAは酷く疲れている様に見えた。




「はい。船はもう用意してあります」
「ありがとね」


初めて会った日と同じく窓際に座っているA。カヤは背景にある月を眺めながら呆然と、昔のことを思い出した。




「昔ね、私吸血鬼に会ったことがあるんです」
「あら、そうなの?」
「はい」



カヤは既に彼女が人では無いことを察していた。常に日傘を指しているのも、クラハドールにつけられた傷が一瞬で塞がったこともそれを裏付ける。




「優しい方でした。もしかしたらAさんのお知り合いかもしれませんね」
「さぁ、どうかしら」
「ふふっ」



カヤはベットに横にながら話しかけてくる。怒涛の一日であっただろうに寝る気配が一向にないカヤに、Aは呆れたように笑う。




「『我々吸血鬼は人間を見捨てることはきっとない』って。本当でした」
「......えぇ。だって吸血鬼っていう生き物はどうしようもない博愛主義だもの」
「Aさんたちが来てくれてよかった。じゃなきゃ私死んでたかも......それにウソップさんだって」
「そういえば、ウソップの坊やに合わせるって契約果たしてなかったわね」




まだ一つ、契約が残っていたことを思い出す。はて、どうやって彼の意志でここまでこさせようかと考えているとカヤは首を横に振った。






「いいんです、私、自分で会いに行きます」
「......そう。じゃあ本当に契約は終了ね」



Aの視線はカヤには向かない。月を見上げる彼女の顔が見えないのが酷く寂しく思えた。



Aの鼻歌が聴こえる。




優しい子守唄を聴いている内にカヤの瞼がどんどん落ちていく。やがてカヤは眠りについた。



寝息をたてるカヤに視線を向け、Aは笑う。




「おやすみお嬢さん」



Aは緩やかな夜風に当たりながら歌を歌った。



誰が歌ってくれたかは忘れたけれど、酷く懐かしく思えるその歌をAが好きだったことだけは覚えている。

第七十一話:二度目の吸血行為→←第六十九話:裏切りは鉛玉より重い



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ゆおゆお - とっっても好きです!更新頑張ってください! (8月28日 18時) (レス) id: 3120b2a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺお - とっっっても好きです!!! (7月26日 5時) (レス) @page25 id: 9c7d7bec90 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - 無理しないでに頑張ってください❌無理しない程度に頑張ってくださいです!すいません💦 (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - まってめっちゃ好きです…( ; ; )無理しないでいでに頑張ってください!! (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 吸血鬼の大人っぽい主人公最高です!!これからも更新頑張って下さい! (7月2日 4時) (レス) @page3 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:U・K | 作成日時:2023年6月26日 21時

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