第六十九話:裏切りは鉛玉より重い ページ23
「出ていってこの村から！！」
「ほぅ、私に銃を向ける......」
「今すぐに出ていって」
まるで産まれたての子鹿のように銃を構えるカヤ。
きっと怖いのだろう。
今まで信頼してきた男に銃を向けることが。銃一つで人は死ぬ。余程頑丈な男でなければ急所に当たれば一発だ。
Aだって加工した鉛で心臓を貫かれれば死ぬだろう。
それが理解出来る賢さを持っているからカヤは怖いのだ。玩具を人に向けるのとは違うソレは、大半の人間には怖いことだろう。
そう考えればベックマンは海賊らしい男だった。
「なるほど、この三年間で貴方も立派になられたものだ
カヤお嬢様」
まるで慈愛に満ちた様な声色に不愉快を覚え、思考を途切らせる。
「覚えていますか？三年間いろんなことがありましたね。貴方が両親を亡くして床に伏せる前から、随分長く過ごしましたね
随分と......」
彼の手から鉤爪が落ちていく。そうして掌で眼鏡を押し上げ、カヤに語り始めた。
「共に苦しみ、共に喜んだあの時を＿＿＿」
「ク、クラハドール」
「街に出かけたことも
貴方が熱を出せば付きっきりで看病
貴方は私の話を嬉しそうに聞いてくれた
私は貴方に尽くしてきました」
クラハドールは右手でカヤの持つ銃口を握りしめた。ここがこんな場所じゃなければどれだけ微笑ましいと思えたか。
でも、今はそんな事を思っている場合じゃない。
その先に何があるか、なんてこんな計画を立てていることから予想できる。腰にはめた銃をクラハドールに向け、黙りなさい、と警告する。
けれどもクラハドールはAを見ず、優しげな表情を浮かべながらカヤに語りかけた。
「＿＿＿私はずっと、そうずっと
耐えてきたのですよ」
「あっ」
「そう全ては......貴様を殺す今日の日のため」
「黙りなさい!」
「五月蝿い小娘が!!」
銃口がカヤの額へと向けられる。
「......かつてはキャピテンクロと名乗ったこの俺が鼻ったれの小娘相手にご機嫌をとって来たんだよッ」
「やろ」
「......」
Aは地面に銃を落とし、一歩後ろに下がった。
そんなAの動きを見て満足したのだろう。カヤに向けていた銃を地面に落とす。
もう、そこからは聞きたくなかった。
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ゆおゆお - とっっても好きです！更新頑張ってください！ (8月28日 18時) (
レス) id: 3120b2a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺお - とっっっても好きです！！！ (7月26日 5時) (レス) @page25 id: 9c7d7bec90 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - 無理しないでに頑張ってください❌無理しない程度に頑張ってくださいです!すいません💦 (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - まってめっちゃ好きです…（ ; ; ）無理しないでいでに頑張ってください！！ (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 吸血鬼の大人っぽい主人公最高です！！これからも更新頑張って下さい！ (7月2日 4時) (レス) @page3 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U・K | 作成日時：2023年6月26日 21時
