第六十一話:夜は口が軽くなる ページ15
「へぇ、ウソップの坊やがクラハドールって人のことを」
「......ウソップさんがそんな事を言う人だったなんて信じられないわ」
グスグスと泣いている少女は、余程ショックだったのだろう。お嬢様の背中を撫でながらAは外を見た。
もう既に夜だ。
「......きっとなにか訳があるのよ」
「でも」
「大切な人を貶されたのだからお嬢さんが怒るのもわかるわ。でも話を聞く限りウソップの坊やが意味もなく嘘をつくだなんて私には到底思えないの」
カヤの眉が寄る。再度泣きそうになっている証拠だ。
「......クラハドールは私が小さな頃から一緒にいたの」
ポツリポツリと話始めるカヤ。
彼女にとってクラハドールは今までの人生で大きな支えだったのだろう。それこそ両親が亡くなる前から。
けれども両親を失った彼女の傷ついた心を癒したのは紛れもなくウソップだ。
彼女はその間に挟まれて苦しんでいる。
「......おやすみなさい。お嬢さん、今夜は良い夢を」
頭を撫でながら子守唄を歌ってやる。誰かが教えてくれた訳では無いけれど、覚えている子守唄。
ゆらゆらと揺れる星屑を窓の外から眺めながら、息を吐く。
「......今日は綺麗な三日月なのね」
目を閉じる。月の光に照らされると吸血鬼は本来の姿が明瞭になる。
Aの髪は白い。それは鏡を見てわかった事実だ。それ以外にもきっと変化はあるのだろうがいまいち分からない。
「＿＿＿まって......可笑しいじゃない」
自分は吸血鬼だ。
しかしそれだと矛盾点が浮き彫りになってしまう。
「なんで、私鏡に映っているの」
部屋の向こう側から、ゴォンゴォンと鳴る時計の針の音が聞こえた。
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ゆおゆお - とっっても好きです！更新頑張ってください！ (8月28日 18時) (
レス) id: 3120b2a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺお - とっっっても好きです！！！ (7月26日 5時) (レス) @page25 id: 9c7d7bec90 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - 無理しないでに頑張ってください❌無理しない程度に頑張ってくださいです!すいません💦 (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - まってめっちゃ好きです…（ ; ; ）無理しないでいでに頑張ってください！！ (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 吸血鬼の大人っぽい主人公最高です！！これからも更新頑張って下さい！ (7月2日 4時) (レス) @page3 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U・K | 作成日時：2023年6月26日 21時
