第五十八話:お嬢様との契約 ページ12
コンコンコン
窓を叩く音にカヤが顔を上げる。ウソップがやって来たのかと思いカヤはベットから起き上がり窓を開けた。
「こんにちはお嬢さん」
「きゃ」
「しーっ......貴女の執事さんに気づかれちゃうわ」
ウソップが普段座る木の枝の上に立っている少女は、蠱惑的な表情を浮かべながらカヤに話しかけてきた。
「ご、ごめんなさい」
「謝らないで。寧ろこちらが謝るほうよ」
「え？」
「坊やとの逢瀬の邪魔をして悪かったわね」
カヤが一瞬Aの言葉を理解していないかのように鸚鵡返しをする。
「ち、違います！！」
「あら違うの？」
「ウソップさんは私を元気づけようとしてるだけです!」
「そう......ふふ」
顔を真っ赤にしたカヤが否定をする。それが年頃の娘らしくなんとも可愛くてAは思わず笑ってしまった。
「か、からかわないでください!!」
「からかってなんかないわ、あっはは、ごめんなさいね」
容姿こそ幼さを感じさせるが纏う雰囲気が神秘的でカヤは思わず口を噤んだ。笑う顔こそ無邪気さがあるがどこかゾッとするようなオーラがある。
「......お嬢さんにお願いがあるの」
「え？」
「船が欲しいの、私たち」
ジッとカヤを見つめる少女の瞳は真紅に染まっていた。離すことすら許されぬ支配を感じてカヤは息を飲んだ。
「勿論無理にとは言わなし、条件もあるわ」
「条件?」
「ウソップを必ず、彼の意志でここに連れてくる......それとお嬢さんの安全の確保ね」
「安全」
「えぇ。安全」
カヤは神妙な顔をした後、小さくうなづいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 260人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆおゆお - とっっても好きです！更新頑張ってください！ (8月28日 18時) (
レス) id: 3120b2a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺお - とっっっても好きです！！！ (7月26日 5時) (レス) @page25 id: 9c7d7bec90 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - 無理しないでに頑張ってください❌無理しない程度に頑張ってくださいです!すいません💦 (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
正体不明の生き者 - まってめっちゃ好きです…（ ; ; ）無理しないでいでに頑張ってください！！ (7月5日 15時) (レス) @page5 id: 92db999cd5 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 吸血鬼の大人っぽい主人公最高です！！これからも更新頑張って下さい！ (7月2日 4時) (レス) @page3 id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：U・K | 作成日時：2023年6月26日 21時
