第五話:教えを乞う ページ6
それから暫く経ってからの出来事だった。
「そう、シャンクスの坊やが」
ふわり、と香るベリーの匂いを楽しみながらAは呟く。
「ルフィの方は？」
「怪我はあるけど重症ではない......じゃが精神面ではかなりのショックを受けてると思うぞ」
村長の言葉を聞いてAは読んでいた本を閉じた。
サラリとフリルのあしらわれた黒手袋で表紙を撫でる。
「シャンクスはどこに」
「宿だ」
「わかったわ。じゃ、行ってくる」
「......そうか」
村長は何も言わず、古本屋から去るAの後ろ姿を見ていた。
「腕は」
「もう無理だな。腕がないし、鎮痛剤を今は打って寝てるとこだ」
ベンに教えてもらい今のシャンクスの状態を確認する。治療は何とか対処したがもう腕が戻らないことを知りAは目を伏せた。
「案内してもらっても？」
「起こすなよ」
「えぇ、それくらいのことわかっているわ」
ベルに許可を貰い、船員の一人に案内してもらった部屋ではシャンクスが寝ていた。
片腕が喰われたのなら出血量はかなりのものだろう。
吸血鬼は血に対して敏感だ。それは吸血鬼の栄養源は血の中に含まれる成分だからだ。人間にとっての食事を、吸血鬼は血だけで補うことが出来る。逆に言えば血でしか補えないのだ。
そっと肩に触れる。血の巡りが指先から微かに伝わってくるのを感じた。
「宵闇の国は一旦引き上げてもらった方がいいわね」
この腕ならしばらく無茶をさせない方がいいだろう。海賊のこの男に、死んでもらう訳には行かないのだ。
「......なんで？」
ふと、Aは疑問詞が口から零れた。
「......利用価値があるから？」
イマイチ釈然としない答えを零す。けれど胸の中の蟠りが消えることはなく、モヤモヤとした感覚があった。
分からない。自身の事が分からないのだ。
「＿＿＿＿＿＿これに関しては坊やの方が上手いのよね」
教えて欲しくて、シャンクスが目を開けるのを待った。
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無 - クロウはバギーの仲間なんか (8月5日 16時) (
レス) @page45 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
無 - バギーがいるとこに他の海賊団もいるのか (8月5日 16時) (レス) @page37 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 吸血鬼て色々出来るのか...瞬間移動は普通凄い (8月5日 5時) (レス) @page22 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U・K | 作成日時：2023年5月8日 17時
