第三十話:わがままお姫様 ページ31
「......私自身吸血鬼がこの世界でどのような存在なのかよくわかっていないのよね」
「あ?」
「だから嘘ついて利益が出るだなんて思えないの」
ほぼ空っぽな400年以上の記憶。思い出せるのはA自身の僅かな情報のみだ。
Aが睫毛を伏せ、テーブルを見つめていれなガヤガヤと外が騒がしくなった。
「失礼」
「......海軍」
おそらくは中佐と思われる男性が店内へと足を運んでくる。先程までの店内の騒がしさはどこへ行ったのか、水面のように凪いでいる。
「君らが海賊というのは本当かね」
「ああ、1人仲間も増えたし今海賊団になったばかりだ」
ここではぐらかしておけばいいものの、ルフィは正直に答える。
そういう子だ。Aもゾロも咎めるような言動は見せず、海軍をじっと見つめた。
「我々の基地とこの街を暴君から救ってくれたことには、一同感謝している。しかし、君らが海賊とわかった以上海軍の名において黙っているわけにはいかない
即刻この街から立ち去ってもらおう」
帽子の位置を直した中佐の言葉に、まっさきに反応を示したのは店内の人達の方であった。
「おい海軍、なんだその言い草は」
「お前たちだってモーガンに押さえつけられてビクビクしてたじゃないか」
「その人たちは私たちの命の恩人だわ」
「そうだそうだ!」
老若男女、ルフィたちを擁護するような声が店内で飛び交う。
「寧ろ捕まえないあたりかなり待遇はいいと思うけれど」
「だろうな」
ヒソヒソとゾロとAが言葉を交わす。
ルフィはどう出るのだろうか、と2人揃って視線をやれば、ルフィは立ち上がった。
「じゃ、行くか。おいA、ゾロ、早く行くぞ......おばちゃんご馳走様」
「そうね、お嬢さんご馳走様、美味しいワインだったわ」
「ごちそうさん」
ゾロもAもルフィに続き挨拶をして席を立つ。
「ゾロの坊や、抱っこ」
「は？てめぇは餓鬼かよ」
「疲れたのよ、日光の下での活動は本来向いていないんだから」
「なんで海賊になったんだよ」
ん、と腕を伸ばせばしぶしぶと言った様子でAを俵担ぎするゾロ。
「違う」
「文句言うな」
「片腕で抱っこがいいわ」
「だから文句言うなって」
「これだったら身体に日光が当たっちゃうじゃない!」
Aがバシバシと日傘でゾロの背中を叩けば、舌打ちしながらも左腕にAを乗せた。
「それでいいのよ」
「ってめぇは上から目線だな」
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無 - クロウはバギーの仲間なんか (8月5日 16時) (
レス) @page45 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
無 - バギーがいるとこに他の海賊団もいるのか (8月5日 16時) (レス) @page37 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 吸血鬼て色々出来るのか...瞬間移動は普通凄い (8月5日 5時) (レス) @page22 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U・K | 作成日時：2023年5月8日 17時
