第十話:その名はコビー ページ11
「坊や、ルフィの坊や......こんなところに居たのね」
思っていたより近い距離で壊れた樽と桃色坊やと共に倒れ込んでいた。唖然とした顔をしている桃色坊やはAを見るなり悲鳴を上げて木に抱きついた。
「だだだだだ誰ですか?!」
「名前を聞くのならまずそちらから名乗るのが礼儀ではなくて？」
可愛らしくAは首を傾げる。ふんわりと髪が揺れる動作は子供らしい無邪気なもののように見えた。
「あ、ぼ、僕はコビーです」
「そう。所で坊や、舟が壊れたけどこれからどうするの」
「あ!そうだ......んぅどうすっかなぁ」
流石に舟が壊れてしまえば海に出ることは出来ない。どうしたものかとルフィと顔を突合せて考えていれば、コビーと名乗る少年が手を上げる。
「あの〜」
「なんだ」
「僕、一応持ってますよ、一応、その舟と呼べるかどうかのものですが」
「ほんとうか!?」
「まぁ、その。はい」
案内します、と丁寧な口調で連れてかれたのは
「趣深い船ね」
「うっわなんだこれボッロ!!」
二人が乗れば沈みそうな、というか一人乗っても沈みそうなチグハグな船であった。板の目は揃っていないし釘も所々浮いている。お世辞にもセンスがあるとは言えない。
「実はこの船逃げ出したくて作ったんですけど＿＿＿結局僕には勇気もないし、どうせ一生雑用の運命なんです......一応本当は、やりたいこともあるんですけど」
弱音を吐くコビーにAはじっと見つめる。
「まだ諦めてないのね」
「え？」
「だって、坊やはあると言ったじゃない。あったではなくてある。諦めきれてないんじゃないの」
赤い瞳が責めるでもなく同情するわけでもなく、淡々とした色をしてコビーを見てくる。それがやけに心臓に悪くてコビーは口を一文字に結んだ。
「坊やはなにになりたいの」
「......」
「馬鹿になんてしないわ。この男の夢よりかは遥かに現実的でしょうし」
「ルフィさんの夢？」
「おう、おれは海賊王になるんだ」
海賊王、夢見がちだなんて思えるようなルフィの夢。
全ての称号を手に入れた者だけが名乗ることが出来るそれをルフィは本気で目指している。そもそも本気で目指していなければAが着いてくることはなかったが。
「む、むりですよ!!絶対無理に決まっています！
この大海賊時代で海賊王になるのなんてムリムリ」
当たり前の反応をするコビーに対し、今までほとんど喋らなかったルフィが手を挙げた。
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無 - クロウはバギーの仲間なんか (8月5日 16時) (
レス) @page45 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
無 - バギーがいるとこに他の海賊団もいるのか (8月5日 16時) (レス) @page37 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
無 - 吸血鬼て色々出来るのか...瞬間移動は普通凄い (8月5日 5時) (レス) @page22 id: 87a5915590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U・K | 作成日時：2023年5月8日 17時
