hope 69 ページ23
広臣side
事務所の前で拾ったタクシー。
少しでも早く着けるようにと、運転手のおじさんが優しそうなのをいいことに急かすように行き先を伝えた。
時刻は20時30分を少し回ったところ。
いつもよりは全然早いけど、本当だったらもっと早く終わるはずだったのに。
なんて思っても今さらしょうがない。
運転手「お兄ちゃん、プレゼントでも買いに行くのかい？」
広臣「え？」
信号が赤になって車が走るのをやめたころ、運転手のおじさんが口を開いた。
運転手「だって、VERERUCHIA行くんだろ？」
広臣「あ…はい。でもプレゼントとかじゃなくて、ちょっと人に会いに…」
運転手「彼女さんかい？」
広臣「彼女じゃないっす…戻ってきてくれればいいんすけどね。」
運転手「複雑だねぇ…」
信号が青になってまた車は走り出す。
運転手「あのアクセサリーの店、いつも若い女の子と男の子の店員さんが、商品を買ったお客さんを店先まで丁寧にお見送りするんだよ。」
若い女の子。
きっとそれはAなんだろう。
運転手「よく運転してて店の前を通るからね、見えるんだ。そんなちゃんとした店員さんのいる店だからやっぱり商品もすごく良くてね。…ほらこれ、この指輪もあの店のだよ。」
運転手のおじさんが見せてくれたのは左手の薬指にぴったりされている指輪。
それは本当にすごく綺麗で、あの時、紅那さんがVERERUCHIAのネックレスをしていた時に感じた惹き込まれる何かがこの指輪にもあった。
広臣「いいっすね、すげぇ綺麗っす。」
運転手「だろ？妻からのプレゼントなんだ。」
広臣「いい奥さんなんすね。」
運転手「はは(笑)いい妻だった…だよ。」
「だった」
その三文字にはどれだけの重みがあるんだろう。
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MIKI - 素敵なお話しです^_^ 続き楽しみにしてますo(^_-)O (2017年2月3日 22時) (
レス) id: 2b2ebd354e (このIDを非表示/違反報告)
Nico(プロフ) - Mionaさん» Mionaさんコメントありがとうございます。少しではありますがまた更新するので最後まで楽しんでください！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 8fbc2f71d4 (このIDを非表示/違反報告)
Nico(プロフ) - けいちゃんさん» けいちゃんさんコメントありがとうございます。私も書いていてそれをすごく感じました。この後もお楽しみください！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 8fbc2f71d4 (このIDを非表示/違反報告)
Miona(プロフ) - 続きが気になります！！！ (2017年1月27日 18時) (レス) id: 35c185664e (このIDを非表示/違反報告)
けいちゃん(プロフ) - 楽しみにしてます！きちんと自分の気持ち言って話し合わないと駄目なことわかりました！ (2017年1月27日 12時) (レス) id: f3039bc482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nico
| 作成日時：2017年1月10日 23時
