すみません。革命起こしてください。

26話　模擬戦 ページ28

Aside

一回戦ってわかったけど
ゾム様は動きが素早すぎる

目で追ってたら即アウト
頭も使いつつ動かないといけないなんて

ut「ルールはゴムナイフを急所に当てたらや」

急所、か
心臓か首元か頭かの三択だな

ut「それでは、開始‼」

合図と共に動き出すゾム様
素早い…
落ち着いて、冷静に

真正面から立ち向かっても私に勝ち目はない
ナイフの軌道に進行報告
トラップにも注意して

……ここ‼

zm「‼ やるやん…」

『どう、もｯ‼』

何とか押し返したけど
このままだと防戦で精一杯
どうにかカウンターできないかな

ゾム様の癖でもなんでも見つけられたら…

『ｯと、危ない…』

zm「んふふw大体の動きは覚えとるで？」

さっきの戦いで技を見せ過ぎた
ゾム様の癖どころか私の癖がばれてる

……でも、奥の手は残してある

タイミングをしっかり見計らって…
ゾム様が少し距離を離した今‼

全力で距離を縮めに行く
小柄な身長を生かして懐に入り込む
最後は持ってるゴムナイフを投げ捨てて…

ﾊﾟｧﾝｯ

zm「ｸﾞｯ…」

私、渾身の猫騙し
今のうちにナイフを首元にあてて

『チェックメイトです』

ut「え、姫さんの勝利…え⁉」

よかった、勝てた…

zm「油断した‼あのナイフ防いだら勝ちやと思った」

『ふふw勝ててよかったわ』

ut「姫さん、戦術とか誰かに教わったん？」

誰かに…
きっかけはお父様だったかしら

『お父様に教えてもらってからは独学です…』

まだ5歳だっていうのに
体術やら剣術やら教えてくれて
でも、お父様は年だったから体力がなかったっけ
バテバテなのに私が訓練を頼むから
無理して付き合ってくれたり…

懐かしい、な…

『……お父様』(ﾎﾞｿｯ

ut「…」

zm「ﾎﾟﾝｯ)泣きたい時は泣き。寂しいんやろ」

『ふｯ…うぅ…お父、様ｯ…』

よく考えたらお父様は昔から私に優しく接してくれた
冷酷なお母様と違って

大人になったって思ってたけど
家族と別れるのがこんなに悲しいなんて

zm「ん…よぉ、我慢しとったな」

ぎこちない撫でかたがお父様そっくりで懐かしい

『ｯ…すみません、取り乱しました』

ut「ええんやで。いつでもお兄さんに頼ってな」

私のお兄さんポジは兄さんだけでいいかな…w

『ありがとうございます』

zm「Aの今の家族は俺らやからな‼」

今の家族…

ut「お。その例えええな」

zm「もっと遠慮なく甘えてええんやで」

『…うん‼』

もう、寂しくない
頼れる家族がいるから

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