真夜中の散歩 【ＪＵＭＰ短編集】

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キスをする
　
　

薮の唇が俺の下唇を
ついばんでくる
湿った舌が口内に差し込まれて
歯列をなぞられる

その舌をおいかけたら、
今度は下唇をとがった舌先でなぞられる



身体が中心から熱くなっていく
厚みの増した広い背中に手をまわすと
薮が俺におおいかぶさってくる
その重みが愛おしい
　
　
　
　
薮は俺をみて少し吐息で笑う
その息がかかってくすぐったい
　
きっと、今、いつも俺を見つめる
あの、優しい蕩けそうな目をしてるはず
　



キスを強請って
俺は少し口を開ける
顔中にその唇を感じて、
ものすごく興奮してくる

俺自身を膝で擦られる
思わず声が漏れて
薮のシャツを掴んでしまう
　
　
　

乾いた手が
汗ばんだ俺の肌に触れる
腹を撫でまわしながら
へそを指でくるくるなぞる
ゆっくりと脇腹を這いながら
とがった突起までたどりつく

そんな風に
さすられるだけじゃ
もどかしくて
体を少し揺らした

　
　
どうして欲しいかなんてわかっているだろ？

　
　
もう、我慢できない
裸になって、素肌に触れ合わせたい
薮のあちこちに触れて、
舐めて、かじりたい


薮はいつまでも
俺にちょっと後ろめたさを感じてる
そういうところ、俺より馬鹿だね


薮のスエットに手をかけた

　
擦り付けてくる薮自身が
固く張りつめている

その熱も、熱い吐息も、
なにもかもたまらない


そう、特に…
やってるときの
しかめた眉


あれをみると、ゾクゾクしてくる。
　

あんなガツガツした
余裕のない顔にさせられるの
俺だけなんだろ？
　

俺だけしか知らない、
俺だけの薮を見せてよ
　
　

ねえ、あの二人だけの瞬間に連れて行って



※Fin※



ホワイトデーに…
いつかのどこかの、らぶらぶなお二人

ここでギリギリかな
　
　

　

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